NISAで「オルカンだけ」でいいの?アセットクラスから考える資産配分入門

NISAを始めようとしたとき、「何を買えばいいかわからない」と感じたことはありませんか。オルカン1本でいい、ゴールドも入れた方がいい、債券はいらない……投資の情報は多すぎて、かえって迷います。この記事では、「アセットクラス(資産の種類)を知ること」を起点に、自分に合った資産配分を考えるヒントをFundLabの無料ツールと一緒に解説します。

まず「アセットクラス」とは何か

アセットクラスとは、投資できる「資産の種類」のことです。投資の世界では主に以下のような種類があります。

アセットクラス代表的なファンド例特徴
🌐 全世界株式eMAXIS Slim オルカン世界中の株に幅広く分散
🇺🇸 米国株式eMAXIS Slim S&P500米国500社に集中。高成長期待
💡 NASDAQ100iFreeNEXT NASDAQ100米国テック企業に特化。高リスク・高リターン
🌍 先進国株式eMAXIS Slim 先進国株式米国・欧州・日本など先進国の株
🌱 新興国株式eMAXIS Slim 新興国株式中国・インド等の成長国株式
🗾 国内株式eMAXIS Slim TOPIX日本株(東証全体)
📋 国内債券eMAXIS Slim 国内債券日本国債など。低リスク・低リターン
🌏 先進国債券eMAXIS Slim 先進国債券先進国の国債など。株と逆の動きをしやすい
🏢 国内REITeMAXIS Slim 国内REIT日本の不動産に間接投資
🌆 先進国REITeMAXIS Slim 先進国REIT海外不動産。インフレに強い傾向
🥇 ゴールドiシェアーズ ゴールド金。株暴落時に上昇しやすい「守りの資産」

それぞれのクラスは値動きの特性が異なります。株式が大きく下がる局面でもゴールドや債券は下がりにくい(または上昇する)ことがあります。これが「分散投資」の核心です。

FundLabの資産配分シミュレーションについて
FundLabでは上記の11クラスからクリックで選ぶだけで、過去データでシャープレシオが最大になる配分比率を自動計算できます。どのクラスをどれだけ組み合わせるかを、ファンド名を知らなくても試せる入門向けのツールです。

「オルカンだけ」でいいのか?

NISAを始める人の間で最も人気なのが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」です。世界約2,900銘柄に一気に分散できるシンプルさが魅力で、「これ1本でいい」という意見も多くあります。

オルカン1本のメリット

  • シンプル:1ファンドで世界中の株に分散できる
  • 管理が楽:リバランス(配分の調整)がほぼ不要
  • 低コスト:信託報酬が低い水準
  • つみたて投資枠対応:NISAのつみたて投資枠で毎月積立できる

オルカン1本の弱点

  • 株式だけへの集中:世界中に分散しているとはいえ、すべてが「株式」という1クラスへの投資。暴落時は資産全体が大きく下がる
  • 最大ドローダウン:2020年のコロナショックでは短期間に約20%超の下落も経験
  • 精神的ハードル:大きく下がったタイミングで売ってしまうと長期投資の効果が得られない

「オルカン1本で問題ない」という考え方は一つの合理的な選択肢です。ただし、暴落時に精神的に耐えられるかどうかが継続のカギになります。別のクラスを加えることで下落幅を抑え、運用を続けやすくなる場合があります。

ゴールドを加えるとどう変わるか——実際に試してみた

「オルカンにゴールドを少し加えたらどうなるの?」という疑問を、FundLabの資産配分シミュレーションで実際に試してみました。

使い方:3ステップで完結

1
アセットクラスをクリックして選択
「全世界株式」と「ゴールド」をクリックするだけ。ファンド名は自動的に割り当てられます。
2
「検証する」ボタンを押す
注意事項を確認して「OK・実行する」を押すと、計算が始まります。
3
結果を確認する
「最大シャープレシオ」と「均等配分」の2パターンで結果が表示されます。
FundLab資産配分シミュレーション:全世界株式とゴールドを選択した状態。緑色でハイライト表示されている

▲ Fund Lab 資産配分シミュレーション:「全世界株式」と「ゴールド」をクリックで選択。▶ FundLabで実際に試してみる

「検証する」を押すと、数秒で結果が表示されました。

FundLab資産配分シミュレーション結果:オルカン52%+ゴールド48%でシャープレシオ2.04、最大ドローダウン5.54%(2020年4月〜2025年10月)

▲ Fund Lab 資産配分シミュレーション結果(2020年4月〜2025年10月の過去実績に基づく試算)。▶ FundLabで設定を変えて試してみる

結果のポイント

指標オルカン52% + ゴールド48%
シャープレシオ2.04
年率リターン(CAGR)23.31%
ボラティリティ(年率)10.93%
最大ドローダウン5.54%
最終評価額(初期100万円)322万円

※ テスト期間:2020年4月〜2025年10月の過去実績に基づく試算値です。将来の運用成果を保証・示唆するものではありません。

注目すべきは最大ドローダウンがわずか5.54%という数字です。テスト期間中(2020年4月〜2025年10月)において、最も高い時点からの最大下落幅が5%程度に収まりました。また、ボラティリティも約11%と比較的低水準です。

このテスト期間について
2020年4月はコロナショック後の底値近辺からのスタートであり、株もゴールドも上昇した好調な時期が含まれています。実際にはより下落幅が大きくなる局面もあり得ます。あくまで過去実績に基づく試算として参考にしてください。

「最大シャープレシオ」の配分は何を意味するのか

ツールの結果には「最大シャープレシオ」と「均等配分」の2つが表示されます。今回の試算では、オルカン52% + ゴールド48%がシャープレシオを最大化する配分でした(均等配分の50:50とほぼ同じ)。

シャープレシオは「リスク1単位あたりに得られたリターン」を表す指標です。値が高いほど、取っているリスクに対して効率よくリターンを得ていることを示します。

ただし、「シャープレシオが高い配分 = 自分に最適な配分」とは限りません。重要なのは、自分が精神的に保有し続けられる配分かどうかです。ゴールドの比率が高すぎると、株式が好調な時期にリターンが物足りなく感じることもあります。

試算結果はあくまで「出発点」
資産配分シミュレーションの結果は「こういう配分が過去データ上で効率的だった」という情報です。この数字をそのまま採用するのではなく、バックテストで詳細な推移を確認したり、モンテカルロシミュレーションで将来の幅を確認したりしながら、自分なりの答えを探していくことが大切です。

自分の答えを見つける——3つのツールの使い方

FundLabでは資産配分シミュレーションから他のツールへシームレスに連携できます。

ステップ1:資産配分シミュレーションで比率の候補を出す

アセットクラスをクリックするだけで、最大5クラスまで組み合わせた配分比率の候補が得られます。「オルカン+ゴールド」「オルカン+債券+ゴールド」など、気になる組み合わせを自由に試してみましょう。

ステップ2:バックテストで詳細な過去実績を確認する

シミュレーション結果の「→バックテスト」ボタンを押すと、その配分比率をそのままバックテストで検証できます。月次積立の設定もでき、実際に毎月投資した場合の資産推移グラフも確認できます。

ステップ3:モンテカルロで将来の幅を確認する

バックテストは過去の実績ですが、将来は変わります。モンテカルロシミュレーションでは、過去データをランダムに並べ替えた1,000通りの将来シナリオで、最悪ケース・中央値・楽観ケースを確認できます。暴落が続く最悪ケースでも元本が守られるかどうかを事前に確認することで、長期投資を続ける心理的準備ができます。

「分散投資=複雑」ではない
アセットクラスを複数組み合わせると「管理が大変そう」と思われがちですが、年1〜2回のリバランスで済む場合がほとんどです。重要なのは自分が理解・納得できる配分で投資を続けることです。

資産配分シミュレーションを試してみる

アセットクラスをクリックするだけ。ファンド名を知らなくても使えます。
バックテスト・モンテカルロとも連携できます。すべて無料。

よくある質問

NISAはオルカンだけで大丈夫ですか?
オルカン(全世界株式)1本でも世界中の約2,900銘柄に分散投資できるため、シンプルな選択肢です。ただし株式のみへの集中投資であるため、暴落時には資産が大きく下落する局面もあります。ゴールドや債券など異なるアセットクラスを組み合わせることで下落幅を抑えやすくなりますが、どちらが正解かはご自身のリスク許容度によって異なります。
アセットクラスとポートフォリオはどう違いますか?
アセットクラスは「資産の種類」(株式・債券・ゴールド等)のことです。ポートフォリオはそれらを組み合わせた「資産の配分」全体を指します。例えば「全世界株式60%+ゴールド20%+先進国債券20%」がポートフォリオで、全世界株式・ゴールド・先進国債券がそれぞれアセットクラスです。
ゴールドはNISAのつみたて投資枠で買えますか?
現時点では、ゴールドファンドの多くはNISAのつみたて投資枠の対象外です。ただしNISAの成長投資枠(年240万円まで)では購入可能なゴールドファンドがあります。詳細は各証券会社・運用会社の最新情報でご確認ください。
資産配分は何%ずつにすればいいですか?
「正解の配分」は人によって異なります。年齢・投資期間・リスク許容度・目標リターンなど個人の事情に左右されるため、一概に言えません。Fund Labの資産配分シミュレーションでは、選んだアセットクラスの組み合わせで過去データにおいてシャープレシオが最も高くなる比率を試算できます。あくまで参考情報としてご活用ください。
初心者は何クラスから始めればいいですか?
まずは2〜3クラスの組み合わせから試してみると、結果が把握しやすいでしょう。「全世界株式+ゴールド」「全世界株式+先進国債券」など2つの組み合わせから始め、結果を見ながら理解を深めていくのも一つの方法です。クラスを増やすほど、全クラスのデータが重なる期間が短くなる場合もあります。