相関係数とは
相関係数とは、2つの投資信託の値動きがどれだけ似ているかを表す数値です。−1から+1の範囲で表され、意味は以下のとおりです。
| 相関係数 | 意味 | 分散効果 |
|---|---|---|
| +1に近い | ほぼ同じ方向に動く | 低い(一緒に上がり、一緒に下がる) |
| 0に近い | 値動きに関連がない | 高い(片方が下がっても影響しにくい) |
| −1に近い | 逆方向に動く | 非常に高い(片方が下がると片方が上がる) |
たとえば、AファンドとBファンドの相関係数が0.95なら、Aが上がるときBもほぼ同じように上がり、Aが下がるときBも同じように下がります。2つ持っていても、暴落時には両方とも下がるため、分散効果はほとんどありません。
なぜ投資信託の組み合わせに相関係数が重要なのか
分散投資の本質は、「値動きの異なる資産を組み合わせることで、全体のリスクを下げる」ことです。しかし、値動きが異なるかどうかは、ファンド名やカテゴリだけではわかりません。
よくある誤解を見てみましょう。
- 「オルカンとS&P500で分散」 → 相関係数0.95。オルカンの約6割は米国株なので、実質ほぼ同じ値動き
- 「先進国株式と全世界株式で分散」 → 相関係数0.99前後。全世界株式の約9割が先進国株式
- 「銘柄数が多ければ分散」 → 同じ株式クラスの中でいくら銘柄を増やしても、市場全体が下がるときは一緒に下がる
名前が違うファンドを複数持つだけでは分散投資にならないのです。相関係数を確認すれば、本当に分散効果のある組み合わせかどうかを数値で判断できます。
相関係数の目安
投資信託を組み合わせるとき、相関係数をどう判断すればよいのでしょうか。一般的な目安は以下のとおりです。
| 相関係数の範囲 | 評価 | 例 |
|---|---|---|
| 0.8〜1.0 | 分散効果なし | オルカン × S&P500 |
| 0.5〜0.8 | やや効果あり | 米国株 × 新興国株 |
| 0.0〜0.5 | 効果あり | 株式 × REIT |
| −1.0〜0.0 | 効果が大きい | 株式 × ゴールド |
FundLabの相関マトリクスで確認する方法
FundLabの相関マトリクスツールを使えば、最大8本の投資信託の相関係数をヒートマップで一覧表示できます。
- ファンドを選ぶ 相関マトリクスページにアクセスし、比較したい投資信託を2〜8本選択します。カテゴリ別のプルダウンから選べます。
- 計算を実行する 「計算」ボタンを押すと、選択したファンド同士の相関係数がマトリクス形式で表示されます。
- ヒートマップを読む 青色が正の相関(同じ方向に動く)、赤色が負の相関(逆方向に動く)を表します。色が濃いほど相関が強いことを意味します。数値も併せて表示されるので、正確な値も確認できます。
具体例で見る相関係数
オルカン × S&P500:相関0.95
「全世界に分散しているオルカン」と「米国集中のS&P500」。一見異なるファンドに見えますが、オルカンの構成比率は約6割が米国株です。そのため値動きは非常に似ており、相関係数は0.95前後になります。
両方を50%ずつ持っても、暴落時にはほぼ同じ幅で下落します。「2つに分けたから安心」とは言えません。
オルカン × ゴールド:相関マイナス〜ゼロ付近
一方、オルカンとゴールド(純金ファンド)の相関係数は0付近、期間によってはマイナスになります。株式市場が暴落するとき、ゴールドは値を保つか上昇する傾向があるためです。
この組み合わせでは、実際のバックテストでも最大ドローダウンが大幅に改善されることが確認できます。
株式 × 国内債券:低相関
国内債券ファンドは株式との相関が低く、伝統的な分散投資の王道とされてきた組み合わせです。リターンは株式に比べて低いものの、ポートフォリオの値動きを安定させる効果があります。
「オルカン1本で十分?」を相関係数で考える
「NISAはオルカン1本でいい」という考え方は、決して間違いではありません。オルカンは1本で全世界の株式に分散投資でき、信託報酬も低く、初心者にとって合理的な選択肢です。
ただし、オルカン1本ということは「株式100%」のポートフォリオです。相関係数の観点で見ると、以下の特徴があります。
- S&P500やNASDAQ100を追加しても、相関が非常に高いため分散効果は薄い
- ゴールドを加えると、株式との相関が低いためリスク低減が期待できる
- 国内債券を加えると、暴落時のクッションになりやすい
「オルカンだけでいいか、何かを加えるべきか」は、自分のリスク許容度によります。FundLabの相関マトリクスで実際の数値を確認し、最適化ツールでシャープレシオを比較してみることで、自分に合った答えを見つけることができます。
相関係数を活用する際の注意点
相関係数は変動する
相関係数は固定値ではなく、計測する期間によって変わります。平常時は相関が低くても、リーマンショックのような金融危機では多くの資産が同時に下落し、一時的に相関が高まることがあります(「危機時の相関上昇」と呼ばれる現象です)。
相関が低い=リターンが高いではない
相関係数はリスク(値動きの安定性)に関する指標であり、リターンの大きさとは直接関係しません。分散効果でリスクを下げても、リターンが十分でなければ意味がないため、シャープレシオ(リスクあたりのリターン)も合わせて確認しましょう。
過去のデータに基づく分析である
FundLabの相関係数は過去の月次リターンから計算しています。過去の相関関係が将来も続くとは限りません。ただし、「株式とゴールドの相関が低い」といった大きな傾向は、長期的には比較的安定しています。
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相関係数をヒートマップで一覧表示。分散効果のある組み合わせが一目でわかります。