積立シミュレーションとは?
「毎月コツコツ」の道のりを過去データで確かめる

「毎月3万円を年利5%で20年」——積立計算機のなめらかな曲線には、現実のいちばん大事な部分が抜けています。相場は毎月上下し、積立には元本割れの期間があるということです。実際の過去の値動きで「もし積み立てていたら」を再現する積立シミュレーションなら、その道のりごと確かめられます。この記事では、一定利回りの計算機と何が違うのか、何がわかるのか、どんなことに使えるのか、そして過去の再現であって将来の予測ではないという大事な限界まで、専門用語を使わずに解説します。

まず結論:積立シミュレーションは「道のり」を見る道具

この記事の要点を先にまとめます。

  • 積立シミュレーションとは、毎月一定額で同じファンドを買い続けた場合の資産推移を、実際の過去の値動きで再現する手法。
  • 「年利◯%で増えたら」という一定利回りの電卓と違い、途中の含み損の期間——元本割れの深さと長さ——まで見えるのが最大の違い。
  • 示してくれるのは過去の再現だけで、将来の保証にはならない。それでも「毎月コツコツ」が実際にどんな道のりだったかを知ることは、積立を続けるための最高の予行演習になる。

なぜ「年利◯%の積立計算機」では足りないのか

ネットによくある積立計算機は、「毎月3万円を年利5%で20年」のように一定の利回りを仮定して、なめらかな曲線を描きます。将来の金額のイメージづかみには便利ですが、この計算には現実の大事な要素がひとつ抜けています。相場は毎月上下する、ということです。

実際の積立では、資産は一直線には増えません。買った直後に下がって何ヶ月も元本割れが続くこともあれば、後半の上昇で一気に挽回することもあります。しかも積立(定額購入)には「価格が安い月ほど多くの口数を買える」という仕組み(ドルコスト平均法と呼ばれます)があるため、値動きの順番しだいで、同じ平均リターンでも結果が変わります。

つまり積立の成績は「平均利回り」だけでは決まらないのです。実際の値動きデータで再現する積立シミュレーションは、この省略されがちな「道のり」をそのまま見せてくれます

一定利回りの計算機が「ゴールの想像図」だとすれば、過去実績の積立シミュレーションは「実際に歩いた人の記録」です。役割が違うので、両方を使い分けるのが賢い付き合い方です。

積立シミュレーションで何がわかるのか:3つの情報

わかることざっくり言うと何を教えてくれるか
最終的な損益元本に対していくら増減したかその期間の積立の「結果」。ただしこれは過去の話
元本割れの期間と深さ何ヶ月・最大何%沈んでいたか積立の「つらさ」。続けるために耐える必要があった含み損
一括投資との違い同じ総額を最初に入れていたらお金の入れ方による性格の違い(優劣ではない)

特に2つ目が、積立シミュレーションならではの情報です。結果として増えた期間でも、途中には評価額が元本を下回っていた月が何ヶ月もある——このリアルを事前に知っているかどうかで、実際に下落が来たときの心の持ちようがまったく変わります。

どんなことに使えるのか:代表的な3つの使い方

① 積立先の候補を「道のり」で比べる

同じ月1万円でも、ファンドによって元本割れの期間や深さは大きく違います。最終損益だけでなく、「どちらの道のりなら自分は歩き通せたか」で比べると、候補の見え方が変わります。

② 下落に耐える「予行演習」をする

過去の下落局面を含む期間で試して、「◯ヶ月元本割れが続いたが、続けていたらこうなった」を体験しておく。積立をやめたくなる瞬間への予防接種として、これ以上の教材はありません。

③ 毎月の金額の感覚をつかむ

月5,000円と月3万円では、同じ値動きでも金額の振れ幅がまるで違います。自分の家計で無理なく続けられる金額を、具体的な数字で確かめられます。

どんな人が使っているのか

「過去の実績で投資方針を点検する」という発想は、運用の世界ではバックテストと呼ばれる標準的な手法です。積立シミュレーションはその積立版で、特に次のような場面で役に立ちます。

  • 新NISAでこれから積立を始める人:候補のファンドが過去にどんな道のりだったか、自分の目で確かめてから決めたい
  • 毎月の金額を決めかねている人:金額ごとの振れ幅を見て、続けられる水準を探したい
  • いま含み損で不安な人:過去の積立でも元本割れの期間は普通にあったこと、その後どうなったかを確認したい

知っておくべき3つの限界

① 過去の再現であって、将来の予測ではない

いちばん大事な限界です。「この5年間の積立はこうだった」は事実でも、次の5年が同じになる保証はどこにもありません。特に対象期間が相場の好調な局面ばかりだと、結果は楽観的に見えます

② 分配金・税金・手数料は入っていないことが多い

多くのシミュレーション(当サイトのツールを含む)は、値動きそのものを計算対象とし、分配金の扱い・売却時の税金・売買手数料は考慮していません。実際の手取りは計算結果より減ることがあります。

③ 「いつ始めたか」で結果が変わる

同じファンド・同じ金額でも、開始月が違えば結果は別物です。1つの期間の結果を鵜呑みにせず、期間を変えて何度か試してください。開始月の運がどれだけ効くかを体系的に見る手法は、ローリングリターンの解説記事で紹介しています。

ここから使えます:日本の投資信託で積立シミュレーション

考え方がわかったら、実際に触ってみるのがいちばん早い理解です。当サイト(Fund Lab)の積立シミュレーションは、日本の投資信託を実際のファンド名で選んで、毎月の積立額と期間を入れるだけ。元本と評価額の推移グラフ、元本割れしていた月数、一括投資との参考比較までまとめて表示されます。登録不要・無料です。

画面の操作手順は使い方ガイドで詳しく解説しています。また、毎月1万円を積み立てた場合の実績を多数のファンドで一覧比較できる積立実績ランキングもあわせてどうぞ。

「毎月コツコツ」の実際の道のりを見てみる

気になるファンドと毎月の金額を入れて、元本割れの期間まで含めた積立のリアルを確かめてみてください。それを知ったうえで始める積立は、続けやすさが違います。

本記事の位置づけ

本記事は積立シミュレーションという手法の一般的な解説であり、特定の金融商品の購入・売却や積立投資そのものを推奨するものではありません。シミュレーションの結果は過去の実績データに基づくものであり、将来の運用成果を予測・保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

よくある質問

Q. 積立シミュレーションとは何ですか?
毎月一定額で同じ投資信託を買い続けた場合の資産推移を、実際の過去の値動きデータで再現する手法です。一定の利回りを仮定する積立計算機と違い、途中の元本割れの期間や深さまで確認できます。過去の再現であり、将来の運用成果を予測・保証するものではありません。
Q. ドルコスト平均法とは何ですか?
毎月など一定の間隔で一定金額ずつ買い続ける方法のことです。価格が安い月ほど多くの口数を買えるため、購入単価が平準化されます。ただし常に有利になる方法ではなく、上昇が続く相場では一括投資に劣ることもあります。
Q. 積立と一括投資はどちらが有利ですか?
期間や相場の動き次第で変わるため、一概にどちらが有利とは言えません。過去データでは、上昇が続いた期間は早くから全額を投じる一括が有利になりやすく、下落を挟む期間は積立が傷を浅くしやすい傾向がありました。当サイトの検証記事やシミュレーションで、期間ごとの違いを確認できます。
Q. 積立シミュレーションは無料でできますか?
当サイト(Fund Lab)の積立シミュレーションは、日本の投資信託を実際のファンド名で選んで、登録不要・無料で利用できます。毎月の積立額と期間を入れるだけで、元本と評価額の推移、元本割れしていた月数などが表示されます。特定ファンドへの投資を推奨するものではありません。
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