まず結論から
(積立3年続けた場合)
(積立2年以上続けた場合)
この期間では、全世界株式・米国株式・新興国株式・国内株式・8資産バランスの5本は、積立を3年続けたすべてのパターンで最終評価額が投下元本を上回りました。一方、国内債券は2年以上続けたすべてのパターンで元本割れ。「長く続ければ大丈夫」は、資産クラスによって成り立ったり成り立たなかったりした、というのが実測の結果です。
本記事は2026年7月5日時点で作成したスナップショットです(計測期間:2020年4月〜2025年10月)。最新のデータは無料のローリングリターン分析ツールでいつでも確認できます。
ローリングリターンとは?開始月をずらして全部試す方法
投資の成績は「いつ始めたか」で大きく変わります。たまたま良いタイミングで始めた1回分の結果だけを見ても、参考になりません。そこでローリングリターンでは、開始月を1ヶ月ずつずらしたすべてのパターンを計算します。たとえば「3年」なら、2020年4月開始・2020年5月開始・2020年6月開始……と31通りの「3年間」を作り、その全部の結果を並べて、一番悪かった場合・真ん中・一番良かった場合を見ます。
この記事では2通りの投資のしかたで集計しました。
- 積立投資:開始月から毎月同じ金額で買い続けた場合。「最終評価額 ÷ 積み立てた元本」の比率で表します(100%未満=元本割れ)。年率ではありません。
- 一括投資:開始月にまとめて買った場合。保有期間ごとの年率リターンで表します。
積立を続けた場合:元本割れはどれだけ減ったか
まず積立です。株式型と8資産バランスの5本では、1年でやめた場合は開始月によって7.3〜27.3%のパターンで元本割れがありました。それが3年続けると、5本とも全パターンでプラスになりました。
ただし国内債券は逆でした。1年で83.6%、2年以上ではすべてのパターンで元本割れ。この期間は国内金利が上昇し、債券価格には逆風だったためです。
下の表の「最悪」「中央」「最高」は最終評価額÷積み立てた元本の比率です。100%未満(赤字)は元本割れを意味します。4年は計算できるパターン数が19と少ないため、参考値です。
| 資産クラス | 続けた年数 | パターン数 | 元本割れの割合 | 最悪 | 中央 | 最高 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全世界株式 | 1年 | 55 | 7.3% | 94.8% | 111.2% | 126.6% |
| 全世界株式 | 2年 | 43 | 0.0% | 102.3% | 119.8% | 140.0% |
| 全世界株式 | 3年 | 31 | 0.0% | 120.0% | 133.8% | 147.8% |
| 全世界株式 | 4年※ | 19 | 0.0% | 129.2% | 150.7% | 163.6% |
| 米国株式 | 1年 | 55 | 9.1% | 92.7% | 113.9% | 127.7% |
| 米国株式 | 2年 | 43 | 0.0% | 104.7% | 122.8% | 146.4% |
| 米国株式 | 3年 | 31 | 0.0% | 122.3% | 139.4% | 156.7% |
| 米国株式 | 4年※ | 19 | 0.0% | 133.0% | 156.5% | 177.7% |
| 新興国株式 | 1年 | 55 | 27.3% | 92.9% | 105.1% | 127.1% |
| 新興国株式 | 2年 | 43 | 16.3% | 93.0% | 109.3% | 135.9% |
| 新興国株式 | 3年 | 31 | 0.0% | 103.0% | 119.0% | 147.3% |
| 新興国株式 | 4年※ | 19 | 0.0% | 113.7% | 125.7% | 153.5% |
| 国内株式 | 1年 | 55 | 18.2% | 96.4% | 107.5% | 122.7% |
| 国内株式 | 2年 | 43 | 0.0% | 100.5% | 116.8% | 136.1% |
| 国内株式 | 3年 | 31 | 0.0% | 116.8% | 128.0% | 141.4% |
| 国内株式 | 4年※ | 19 | 0.0% | 128.3% | 137.7% | 152.8% |
| 国内債券 | 1年 | 55 | 83.6% | 96.8% | 98.5% | 100.8% |
| 国内債券 | 2年 | 43 | 100.0% | 95.5% | 97.3% | 99.2% |
| 国内債券 | 3年 | 31 | 100.0% | 94.5% | 96.2% | 98.5% |
| 国内債券 | 4年※ | 19 | 100.0% | 93.3% | 94.4% | 96.2% |
| Slim8資産 | 1年 | 55 | 12.7% | 96.6% | 105.0% | 115.1% |
| Slim8資産 | 2年 | 43 | 2.3% | 98.9% | 109.5% | 117.6% |
| Slim8資産 | 3年 | 31 | 0.0% | 107.9% | 115.5% | 124.7% |
| Slim8資産 | 4年※ | 19 | 0.0% | 112.8% | 121.4% | 129.5% |
※4年はパターン数が19と少ないため参考値として掲載しています。数値は「最終評価額÷積み立てた元本」の比率で、100%未満は元本割れです。
一括投資で見た場合:開始時期でこれだけ違う
同じ6本について、開始月にまとめて投資した場合の年率リターンも集計しました。「最悪」と「最高」の開きを見ると、始めた時期しだいで結果が大きく変わったことが分かります。たとえば全世界株式の1年保有は、いちばん悪い開始月で年率-5.6%、いちばん良い開始月で年率+48.7%でした。
| 資産クラス | 保有年数 | パターン数 | 最悪(年率) | 中央(年率) | 最高(年率) | プラスの割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全世界株式 | 1年 | 55 | -5.6% | 21.1% | 48.7% | 96.4% |
| 全世界株式 | 2年 | 43 | 7.7% | 20.1% | 31.4% | 100.0% |
| 全世界株式 | 3年 | 31 | 14.0% | 18.9% | 23.8% | 100.0% |
| 全世界株式 | 4年※ | 19 | 13.3% | 20.0% | 25.4% | 100.0% |
| 米国株式 | 1年 | 55 | -6.1% | 23.7% | 52.7% | 94.5% |
| 米国株式 | 2年 | 43 | 10.7% | 22.7% | 37.7% | 100.0% |
| 米国株式 | 3年 | 31 | 15.2% | 22.4% | 26.3% | 100.0% |
| 米国株式 | 4年※ | 19 | 16.1% | 23.2% | 29.6% | 100.0% |
| 新興国株式 | 1年 | 55 | -11.4% | 11.9% | 53.7% | 72.7% |
| 新興国株式 | 2年 | 43 | -4.3% | 11.0% | 28.4% | 86.0% |
| 新興国株式 | 3年 | 31 | 3.0% | 8.7% | 22.8% | 100.0% |
| 新興国株式 | 4年※ | 19 | 3.8% | 9.6% | 16.2% | 100.0% |
| 国内株式 | 1年 | 55 | -7.3% | 16.1% | 41.2% | 89.1% |
| 国内株式 | 2年 | 43 | 3.7% | 16.3% | 25.5% | 100.0% |
| 国内株式 | 3年 | 31 | 11.9% | 15.2% | 22.8% | 100.0% |
| 国内株式 | 4年※ | 19 | 10.5% | 14.2% | 19.6% | 100.0% |
| 国内債券 | 1年 | 55 | -5.3% | -2.3% | 0.5% | 7.3% |
| 国内債券 | 2年 | 43 | -4.0% | -2.3% | -1.2% | 0.0% |
| 国内債券 | 3年 | 31 | -3.2% | -2.5% | -1.0% | 0.0% |
| 国内債券 | 4年※ | 19 | -3.1% | -2.2% | -1.8% | 0.0% |
| Slim8資産 | 1年 | 55 | -4.7% | 9.7% | 27.6% | 92.7% |
| Slim8資産 | 2年 | 43 | 2.5% | 9.9% | 16.4% | 100.0% |
| Slim8資産 | 3年 | 31 | 6.4% | 8.8% | 12.5% | 100.0% |
| Slim8資産 | 4年※ | 19 | 6.0% | 9.3% | 12.8% | 100.0% |
一括投資でも、株式型は2年以上のパターンでプラスだった割合が高く出ました。一方、国内債券は1〜4年のどの保有年数でも中央の年率がマイナスで、長く持つほど良くなったわけではありませんでした。機械的な集計であり、特定ファンドへの投資推奨ではありません。積立と一括の違いそのものに興味がある方は、積立投資と一括投資の比較記事もご覧ください。
大事な注意:この5年半は株式に追い風だった
対象期間は2020年4月から2025年10月までです。起点はコロナショック直後の回復局面で、米国株式・全世界株式などには特に追い風でした。そのため、株式型で「3年続けたら全パターンでプラス」という結果が出たことを、将来にもそのまま当てはめることはできません。
また、国内債券の結果が示すように、資産クラスによっては続ける期間を延ばしても元本割れが減らないケースがありました。この記事の数字は「この5年半ではどうだったか」を示すものであり、積立期間についての一般法則ではありません。
データと計算方法
対象ファンド
各資産クラスの代表的なインデックスファンドとして、次の6本の公表データ(基準価額)を月次化して使いました。計測期間はいずれも2020年4月〜2025年10月の67ヶ月、欠損はありません。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim 国内債券インデックス
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
計算のしかた
一括投資は、開始月の基準価額で一括購入し、1年・2年・3年・4年後の月に売却したものとして年率換算しました。積立投資は、開始月から評価月の前月まで毎月末に同額で購入し、評価月の基準価額で最終評価額を計算しました。開始月から12×nヶ月後の月がデータ内に存在するパターンだけを採用しています。4年はパターン数19のため参考値とし、5年は掲載していません。
自分の候補ファンドで確かめる
この記事では主要6資産だけを固定の条件で見ました。実際に検討しているファンドがある場合は、ローリングリターン分析ツールで最大5本まで選び、1年・2年・3年保有した場合のリターンの幅と、プラスだったパターンの割合を確認できます。
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