集計の前提(データの範囲と期間)
集計対象: Fund Lab収録861本のうち、期間分の月次データが揃うファンド(3年集計: 748本/5年集計: 639本)
集計期間: 3年 = 2022年9月〜2025年9月/5年 = 2020年9月〜2025年9月
計算基準: 月次基準価額(円建て)に基づく実測値。年率リターンはCAGR(年平均成長率)
データ生成日: 2026年5月29日(ランキングページと同一データ)
※本記事は2026年6月時点のスナップショット(固定値)です。最新のデータはランキングページで確認できます。
この3〜5年は世界的な株式の上昇相場にあたります。以下で示す「中央値14%」などの数字は歴史的に見てかなり高い水準であり、「投資信託とはいつでもこのくらい増えるもの」という意味ではありません。市場環境が変われば分布全体が下にシフトします。過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
投資信託の平均リターンは年率何%?
Fund Labの実測集計では、日本の投資信託748本の過去3年(2022年9月〜2025年9月)の年率リターン(CAGR)の中央値は14.0%でした。過去5年(2020年9月〜2025年9月・639本)では中央値11.8%です。
「年率5%で計画すれば堅実」とよく言われますが、直近3年の実績では約80%のファンドが年率5%以上、約67%が10%以上でした。逆に、上昇相場だったにもかかわらず約13本に1本(7.5%)はマイナスです。同じ「投資信託」というくくりの中に、これだけの広がりがあります。
リターンの分布——上位10%と下位10%でどれだけ違う?
平均や中央値だけでは実態はつかめません。748本をリターン順に並べたときのパーセンタイル(分布上の位置)は次のとおりです。
| 分布上の位置 | 年率リターン(3年) | 年率リターン(5年) |
|---|---|---|
| 上位10%(P90) | 24.1% | 21.0% |
| 上位25%(P75) | 21.6% | 16.3% |
| 中央値(P50) | 14.0% | 11.8% |
| 下位25%(P25) | 6.1% | 6.0% |
| 下位10%(P10) | 1.6% | -0.1% |
上位10%のファンドは年率24%超で資産が3年で約1.9倍になる計算ですが、下位10%は年率2%未満。同じ時期に投資していても、何を選んだかで結果は桁違いに変わったことが分布から読み取れます。これが「どのファンドにするかを過去データで確認してから決める」ことの意味です。
シャープレシオ1以上は全体の何%?
リスクあたりのリターン効率を示すシャープレシオは「1以上で優秀」が通説です。Fund Labの集計では、過去3年のシャープレシオ中央値は1.21、1以上のファンドは58.6%(438本)と過半数を占めました。一方、過去5年では中央値0.90・1以上は42.7%に下がり、2以上はわずか3本(0.5%)です。
| シャープレシオ | 3年(748本) | 5年(639本) |
|---|---|---|
| 中央値 | 1.21 | 0.90 |
| 1.0以上の割合 | 58.6%(438本) | 42.7%(273本) |
| 1.5以上の割合 | 32.9% | 9.1% |
| 2.0以上の割合 | 8.3%(62本) | 0.5%(3本) |
| マイナスの割合 | 7.6% | 10.2% |
ここから言えるのは、シャープレシオの「良し悪し」は市場環境に強く依存するということです。相場が良かった3年集計では1以上が当たり前のように見えますが、期間を5年に伸ばすだけで「1.5以上」は3分の1から1割未満に激減します。絶対値の目安だけでなく、同じ期間で計測した他のファンドとの相対位置で見ることが重要です。シャープレシオの基本はシャープレシオ解説記事で、ファンドごとの実値はランキングページで確認できます。
リスクの「普通」はどのくらい?(ボラティリティ・最大ドローダウン)
リターンの裏側にあるリスクも集計しました。年率ボラティリティ(値動きの大きさ)の中央値は3年で12.4%(5年で13.5%)。最大ドローダウン(期間中の最大下落率)の中央値は3年で-10.2%、5年で-13.1%でした。
| リスク指標 | 3年(748本) | 5年(639本) |
|---|---|---|
| 年率ボラティリティ 中央値 | 12.4% | 13.5% |
| 最大ドローダウン 中央値 | -10.2% | -13.1% |
| 最大DDが-20%より深い割合 | 9.8% | 24.1% |
| 最大DDが-30%より深い割合 | 1.7% | 10.5% |
| 最大DDが-10%以内の割合 | 48.4% | 28.5% |
注目したいのは期間による違いです。5年集計(コロナ後の急落・2022年の調整を含む)では、約4本に1本が-20%を超える下落を経験しています。観測期間が長くなるほど大きな下落に遭遇する確率は上がるため、長期保有を前提にするなら「2〜3割の一時的な下落はありうる」前提で資金計画を立てることが、過去データからの素直な示唆です。
主要指数に連動するファンドの実績早見表【3年・5年】
分布の中で、よく話題になる指数のファンドはどの位置にいるのでしょうか。各指数に連動する代表的なファンドを1本ずつ取り上げ、実績を一覧にしました(3年リターンの高い順・例示であり特定ファンドの推奨ではありません)。
| 指数(例示ファンド) | 年率リターン 3年 | 年率リターン 5年 | ボラティリティ 3年 | 最大DD 5年 |
|---|---|---|---|---|
| FANG+(iFreeNEXT FANG+インデックス) | 51.2% | 33.0% | 27.1% | -34.0% |
| ゴールド(SMTゴールドインデックス・為替ヘッジなし) | 32.5% | 22.4% | 14.8% | -7.8% |
| NASDAQ100(iFreeNEXT NASDAQ100インデックス) | 31.6% | 25.3% | 20.6% | -23.2% |
| S&P500(eMAXIS Slim 米国株式) | 24.9% | 24.5% | 16.4% | -15.8% |
| 先進国株式・除く日本(eMAXIS Slim 先進国株式) | 24.6% | 23.1% | 14.6% | -12.5% |
| 全世界株式・オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式) | 23.8% | 21.7% | 13.7% | -11.5% |
| TOPIX(eMAXIS Slim 国内株式TOPIX) | 22.4% | 16.7% | 10.3% | -7.3% |
| 日経平均(ニッセイ日経平均インデックスファンド) | 22.3% | 16.2% | 14.4% | -10.2% |
| 新興国株式(eMAXIS Slim 新興国株式) | 18.9% | 14.4% | 14.2% | -15.0% |
| 8資産バランス(eMAXIS Slim バランス8資産均等型) | 12.3% | 11.2% | 7.5% | -5.2% |
| 先進国債券(eMAXIS Slim 先進国債券) | 6.4% | 4.7% | 8.0% | -7.8% |
| 国内債券(eMAXIS Slim 国内債券) | -2.9% | -2.5% | 3.0% | -12.0% |
オルカンやS&P500は分布の上位25%(年率21.6%)前後、株式型としては「優等生だが飛び抜けてはいない」位置にいます。FANG+の年率51.2%は全748本中1位ですが、最大ドローダウンは-34%と表中で最も深く、ハイリターンの代償がはっきり表れています。一方、国内債券はこの期間マイナスでした。金利上昇局面では債券ファンドの基準価額が下がるという教科書どおりの動きです。
こうした個別の数字はランキングページで全748本分を並び替えて確認でき、気になるファンドはバックテストで積立シミュレーションまで検証できます。
この統計を使うときの3つの注意
① 期間が違えば数字は別物になる
本記事の3年集計と5年集計ですら、シャープレシオ1.5以上の割合が32.9%→9.1%と大きく違います。どこかで見た「平均リターン」を比較するときは、必ず集計期間を確認してください。本記事の数字は「2022年9月〜2025年9月」「2020年9月〜2025年9月」という特定の期間の実測値です。
② 「全体の中央値」と「自分のファンド」は別の話
分布が示すとおり、上位と下位ではリターンに10倍以上の開きがあります。全体の平均を知ることはスタート地点にすぎず、検討しているファンドが分布のどこにいるかは個別に確認する必要があります。
③ 過去の分布は将来の分布ではない
繰り返しになりますが、この3〜5年は株式の上昇相場でした。「中央値14%」を将来の期待値として使うことはできません。市場環境が変われば、分布の中心も幅も変わります。
気になるファンドの「分布上の位置」を確認する
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