バックテストの条件
今回のバックテストは以下の条件で実施しました。両ファンドの共通データが揃う最も長い期間を採用しています。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 対象ファンド① | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
| 対象ファンド② | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本) |
| バックテスト期間 | 2020年4月〜2025年9月(66ヶ月) |
| 初期投資額 | 0円(積立のみ) |
| 毎月の積立額 | 30,000円 |
| 総投資額 | 1,980,000円 |
バックテスト結果の比較
同じ条件で積み立てた場合の結果を比較します。
| 指標 | オルカン | 先進国(除く日本) |
|---|---|---|
| 総投資額 | 1,980,000円 | 1,980,000円 |
| 最終評価額 | 3,583,179円 | 3,665,157円 |
| 総リターン | +80.97% | +85.11% |
| 年率リターン(CAGR) | 11.39% | 11.85% |
| ボラティリティ | 13.89% | 14.81% |
| 最大ドローダウン | 8.41% | 9.59% |
| シャープレシオ | 1.61 | 1.58 |
この期間においては、リターンは先進国(除く日本)が上回り(最終評価額で約8.2万円差)、リスク効率(シャープレシオ)・ドローダウンの数値ではオルカンが低い結果となりました。オルカン vs S&P500(差額約21.5万円)に比べ、両者の差は小さい点が特徴的です。
▲ FundLabバックテスト画面:オルカン(青実線)と先進国(除く日本)(灰色破線)の資産推移比較。2ファンドの軌跡は近く推移し、この期間は先進国がわずかに上方に位置。年間リターン棒グラフでは2022年の下落や2023〜2024年の反発幅の違いも確認できる。▶ FundLabで実際に試す
注目ポイント①:リターンの数値差は「小さい」
5年半の積立を通じて、先進国(除く日本)がCAGR 11.85%・最終評価額366.5万円と、オルカンのCAGR 11.39%・358.3万円を約8.2万円上回りました。ただしこの差は、同じ条件で比較したS&P500との差(約21.5万円)の4割弱です。
両ファンドとも月3万円・66ヶ月の積立で資産を約1.8倍に増やしており、この期間における両者の軌跡は非常に近いものとなりました。
オルカン(MSCI ACWI連動):先進国23カ国・新興国24カ国を含む約2,800銘柄に分散。日本株も含む。米国比率は約65%。
先進国株式(MSCIコクサイ連動):日本を除く先進国22カ国の約1,200銘柄に投資。日本・新興国は含まれない。米国比率が約73%と高め。
この期間で先進国がやや高いリターンとなった背景として、オルカンには新興国(中国・インドなど)と日本が含まれており、相対的にパフォーマンスが抑制された可能性が挙げられます。先進国(除く日本)は米国への集中度が高く、AI・半導体ブームの恩恵を受けやすい構造です。
▲ 先進国(除く日本)のバックテスト結果:CAGR 11.85%・最大ドローダウン 9.59%・シャープレシオ 1.58。198万円の積立が366.5万円に成長(+85.11%)。▶ FundLabで条件を変えて試す
注目ポイント②:リスク指標の数値比較
リターンの数値では先進国が高い一方、リスク指標の数値では、この期間の実績データでオルカンが低い結果となりました。
ボラティリティはオルカン13.89%に対して先進国は14.81%と約0.9ポイントの差があります。最大ドローダウン(積立期間中の最大含み損)はオルカンの8.41%に対して先進国は9.59%と、約1.2ポイントの差が見られました。
オルカンが新興国・日本を含む広い地域に分散しているため、先進国株式だけが大きく変動する局面でドローダウンを抑える要因となったとみられます。
▲ オルカンのバックテスト結果:CAGR 11.39%・最大ドローダウン 8.41%・シャープレシオ 1.61。198万円の積立が358.3万円に成長(+80.97%)。資産推移グラフは安定した右肩上がり。▶ FundLabで確認する
注目ポイント③:シャープレシオで見る「効率の逆転」
シャープレシオはリスク1単位あたりのリターンを示す指標で、高いほど「効率よくリターンを得ている」ことを意味します。
この期間のシャープレシオはオルカンが1.61、先進国が1.58です。リターンの数値では先進国が高い一方、リスク調整後の効率の数値ではオルカンが上回っているという結果です。先進国はより大きなボラティリティ・ドローダウンを伴ってリターンを得ており、リスクあたりの効率ではオルカンが高い数値となりました。
一般にシャープレシオは1.0以上で良好、1.5以上で非常に高いとされます。両ファンドともに1.5超は極めて優秀な水準で、NISAの長期積立に適した選択肢であることを示しています。
この比較ではリターンvs.リスク効率で両者が拮抗しており、どちらが「正解」かはデータだけでは決まりません。
オルカンを選ぶ観点:新興国の長期成長を取り込みたい・日本株も含めたグローバル分散・シャープレシオの数値を重視
先進国(除く日本)を選ぶ観点:日本株を別途保有しているため重複を避けたい・先進国の成長に絞って投資したい・CAGR数値を重視
「期間によって結果は変わる」
重要な注意点があります。バックテストの結果は期間によって大きく変わります。
今回の期間(2020年4月〜2025年9月)は米国ハイテク株が世界をリードした時期を含んでいます。米国比率が高い先進国がやや高いリターンとなりましたが、新興国(特にインド)が相対的に好調な時期や、日本株が高パフォーマンスを出す局面では、オルカンがより高い数値を示す可能性もあります。
FundLabでは開始時期・積立期間・積立額を自由に変えて検証できます。「2018年から始めていたら?」「月5万円なら?」など、自分の状況に合わせた条件で試してみてください。
FundLabで自分の条件で試す
この記事では月3万円・2020年4月スタートの条件で比較しましたが、FundLabでは積立額・開始時期・投資期間を自由に設定できます。
オルカンと先進国株式の組み合わせや、S&P500を加えた3ファンド比較なども無料で検証できます。将来の資産がどう広がるかはモンテカルロシミュレーションでも確認できます。
オルカン vs 先進国(除く日本)を自分の条件でバックテスト
積立額・開始時期を自由に設定して、過去データで比較できます。
eMAXIS Slim 2ファンドを無料で検証。
よくある質問
Q. オルカンと先進国株式(除く日本)の積立バックテスト、結果はどう違いますか?
2020年4月〜2025年9月の期間、月3万円積立では、先進国株式(eMAXIS Slim 先進国株式インデックス)がCAGR 11.85%・最終評価額366.5万円となり、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・CAGR 11.39%・358.3万円)より高い数値でした。一方、シャープレシオはオルカン1.61・先進国1.58で、最大ドローダウンはオルカン8.41%・先進国9.59%と、リスク指標の数値ではオルカンが低い結果でした。最終評価額の差は約8.2万円で、S&P500との差(約21.5万円)より小さい結果でした。
Q. NISAの積立にオルカンと先進国株式、どちらが向いていますか?
一概には言えません。先進国株式(除く日本)はこの期間でCAGRが0.46%高い数値でしたが、ボラティリティ14.81%・最大ドローダウン9.59%とリスク指標の数値がやや大きくなっています。オルカンはボラティリティ13.89%・最大ドローダウン8.41%と安定しており、シャープレシオで先進国を上回りました。日本株を別途保有している場合は先進国株式で重複を避ける選択肢もあります。新興国を含めたグローバル分散を求める場合はオルカンが対象です。
Q. オルカンと先進国株式(除く日本)は何が違うのですか?
主な違いは投資対象の範囲です。オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)はMSCI ACWIという指数に連動し、先進国23カ国・新興国24カ国を含む約2,800銘柄に分散投資します。先進国株式(eMAXIS Slim 先進国株式インデックス)はMSCIコクサイ・インデックスに連動し、日本を除く先進国22カ国の約1,200銘柄に投資します。日本と新興国を含むかどうかが主な違いです。
Q. シャープレシオがオルカンのほうが高いのにリターンは先進国が上なのはなぜですか?
シャープレシオはリスク1単位あたりのリターンを示します。先進国株式はオルカンより高いリターンを得ましたが、同時にボラティリティ14.81%(オルカン13.89%)・最大ドローダウン9.59%(オルカン8.41%)とリスク指標の数値も大きくなっています。リターン上昇幅に対してリスク上昇幅がやや大きいため、シャープレシオの数値ではオルカンが逆転しました。
※ 本記事のバックテスト結果は過去の基準価額データに基づく試算であり、将来の運用成果を示すものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬等のスペックは各社の最新目論見書でご確認ください。