オルカン×ゴールドは何対何?
比率別バックテスト比較【2020〜2025年】

「オルカンにゴールドを混ぜるなら、比率は何対何がいいのか?」——守りの分散先として人気のゴールド(金)について、実際の投資信託データで答えます。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とiシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)を、100:0から50:50、そしてゴールド単体まで7パターンの比率で月3万円積立バックテストしました。先に結論の要点:この期間(2020年4月〜2025年10月)では、ゴールド比率を10%増やすごとに最終評価額は約9.3万円増え、同時に最大ドローダウンは8.41%→2.67%まで縮小、シャープレシオは1.61→2.04まで上昇しました。ただしこの期間はゴールドが歴史的に上昇した時期を含む点に注意が必要です。

バックテストの条件

今回のバックテストは以下の条件で実施しました。両ファンドの共通データが揃う最も長い期間を採用しています。

項目設定値
対象ファンド①eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
対象ファンド②iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)
比率パターン100:0 / 90:10 / 80:20 / 70:30 / 60:40 / 50:50 / 0:100(オルカン:ゴールド)
バックテスト期間2020年4月〜2025年10月
毎月の積立額30,000円(初期投資なし・積立66回)
総投資額1,980,000円
積立配分について:毎月の積立額を指定比率で各ファンドに配分して購入し続ける方式です(途中の売買によるリバランスなし)。年率リターン・ボラティリティ・シャープレシオの指標は、配分比率で加重した基準価額ベースの月次リターンから算出しています。

比率別バックテスト結果の一覧

同じ期間・同じ積立額で、比率だけを変えた結果がこちらです。

比率
(オルカン:ゴールド)
最終評価額 総リターン 年率リターン
(CAGR)
ボラティリティ シャープレシオ 最大ドローダウン
100 : 03,583,179円+80.97%23.72%13.89%1.61-8.41%
90 : 103,676,361円+85.67%23.89%12.85%1.74-6.21%
80 : 203,769,543円+90.38%24.02%12.00%1.86-4.03%
70 : 303,862,725円+95.09%24.11%11.37%1.96-3.36%
60 : 403,955,907円+99.79%24.16%11.01%2.03-2.90%
50 : 504,049,088円+104.50%24.18%10.94%2.04-2.67%
0 : 1004,514,998円+128.03%23.68%14.47%1.54-6.08%

この期間に関する限り、混合比率の範囲(100:0〜50:50)ではゴールドを増やすほどリターンが増え、同時にボラティリティ・最大ドローダウンが減るという結果になりました。リターンとリスクが比例して増えたオルカン×NASDAQ100の比率別バックテストとは対照的です。

下の各リンクから、同じ条件をFundLabのバックテスト画面でそのまま再現できます(積立額や期間も自由に変更できます)。

注目ポイント①:NASDAQ100と真逆——「混ぜるほどリスクが下がりリターンは増えた」

混合比率の範囲(100:0〜50:50)では、ゴールドを10%増やすごとに最終評価額が約9.3万円ずつ増え、同時に最大ドローダウンは8.41%→2.67%へ、ボラティリティは13.89%→10.94%へと縮小しました。リターンを増やすとリスクも増えるのが通常のトレードオフですが、この期間のオルカン×ゴールドでは両方が同時に改善しています。

理由は2つあります。1つ目は、2つの資産の値動きの相関が低いこと。FundLabの実測では、オルカンとゴールドの相関係数は0.21(2020年5月〜2025年10月・相関係数マトリクス記事参照)で、株式が下がる局面でゴールドが同時に下がるとは限らず、互いの下落を打ち消し合う分散効果が働きました。2つ目は、この期間のゴールド自体のリターンが株式並みに高かったこと(後述の注意点)。

📌 NASDAQ100を混ぜる場合との違い

オルカン×NASDAQ100の同じ実験では、NASDAQ100比率を上げるほどリターンと一緒に最大ドローダウンも拡大し、シャープレシオは一貫して低下しました(オルカンとNASDAQ100は中身が重なるため)。一方ゴールドは株式とほぼ独立に動くため、混ぜることが本来の意味での「分散」になります。同じ「混ぜる」でも、相手の資産との相関によって結果が正反対になる好例です。

注目ポイント②:シャープレシオ最大は50:50(ただし期間の特殊性に注意)

シャープレシオ(リスク1単位あたりのリターン)は、オルカン100%の1.61からゴールド比率を上げるごとに改善し、50:50で最大の2.04に達しました。FundLabのポートフォリオ最適化(現代ポートフォリオ理論)でこの2ファンド・同期間の最大シャープレシオ配分を計算しても、結果は「50:50」でした。

ただし、この結果をそのまま将来に当てはめるのは危険です。この期間はゴールドが2024年に+38.37%、2025年(10月まで)に+48.73%と歴史的な上昇を見せた時期を含みます。ゴールド単体のCAGRが23.68%とオルカン(23.72%)に並んだのは、長い歴史の中でもまれな状況です。ゴールドの上昇が一服すれば、ゴールド比率の高い配分のリターンは下がり、最適比率も変わります。

一般論として言えるのは「相関の低い資産を混ぜるとリスク(変動)は抑えやすい」ことまでで、「リターンも増える」かどうかはその期間のゴールド次第です。

注目ポイント③:年ごとに見る——2022年はゴールドが、2020年は株式が支えた

年ごとのリターンを見ると、分散効果の「両面」がよく分かります。

比率(オルカン:ゴールド)2020年(株式好調)2022年(株式下落)2025年(ゴールド高騰・10月まで)
100 : 0+23.91%-5.65%+17.54%
80 : 20+18.91%-2.39%+23.80%
50 : 50+11.42%+2.86%+33.17%
0 : 100-1.07%+12.72%+48.73%

株式が下落した2022年、オルカン100%は-5.65%でしたが、ゴールドは+12.72%。50:50なら下落年でも+2.86%とプラス圏でした。一方、株式が好調だった2020年はゴールドが-1.07%と足を引っ張り、ゴールド比率が高いほどリターンが低くなっています。分散とは「常にどちらかが補う」関係であって、両方が同時に上がることを保証するものではありません。どちらの年の動きを「我慢できるか」で、許容できる比率が見えてきます。

「期間によって結果は大きく変わる」——ゴールドは特に

重要な注意点があります。このバックテストの結果は2020年4月〜2025年10月という、ゴールドに非常に有利だった特定の期間のものです。

ゴールドの歴史を振り返ると、1980年頃の高値から約20年間にわたり低迷した時期があります。また、ゴールドは株式と異なり配当や利益成長を生まない資産で、リターンの源泉は価格上昇のみです。「過去5年で株式並みに上がったから今後も上がる」とは言えません。

「何対何が正解か」は過去データだけでは決まらず、自分のリスク許容度・投資期間・どの年の動きなら耐えられるかに合わせた選択が重要です。

FundLabで自分の条件で試す

この記事では月3万円・7パターンの比率で比較しましたが、FundLabでは比率を1%刻みで自由に設定でき、積立額・開始時期も変更できます。85:15や75:25など、気になる比率をそのまま検証できます。

将来の資産がどう広がるかはモンテカルロシミュレーションで、オルカン・ゴールド以外の組み合わせの相関は相関マトリクスでも確認できます。

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よくある質問

Q. オルカンにゴールドを混ぜると、過去の積立実績はどう変わりましたか?

2020年4月〜2025年10月に月3万円(総投資額198万円)を積み立てたバックテストでは、ゴールド比率を10%増やすごとに最終評価額は約9.3万円ずつ増加し(オルカン100%で約358.3万円、50:50で約404.9万円)、同時に最大ドローダウンは8.41%から2.67%まで縮小、シャープレシオは1.61から2.04まで上昇しました。ただしこの期間は2024〜2025年のゴールド高騰を含む点に注意が必要です。

Q. オルカンとゴールドの最適な比率は何対何ですか?

最適な比率は投資家のリスク許容度や相場観によって異なり、一概には言えません。過去データ(2020年4月〜2025年10月)では、シャープレシオが最も高かったのは50:50(2.04)で、現代ポートフォリオ理論による最大シャープレシオの計算でも同じ結果でした。ただしこの結果はゴールドが歴史的な上昇を続けた期間のデータによるもので、期間が変われば最適比率も大きく変わります。

Q. ゴールドを混ぜるとなぜリスクが下がるのですか?

オルカンとゴールドの値動きの相関係数が低い(実測0.21)ためです。株式が下落した2022年はオルカンが-5.65%に対しゴールドは+12.72%で、互いの下落を打ち消し合う分散効果が働きました。逆に株式が好調だった2020年はゴールドが-1.07%と足を引っ張っており、分散は「常にどちらかが補う」関係であって、両方が同時に上がる保証ではありません。

Q. ゴールドを組み入れる際の注意点はありますか?

3点あります。①今回の期間はゴールドが2024年+38.37%・2025年+48.73%(10月まで)と歴史的に上昇した時期を含み、結果がゴールドに有利に出やすいこと。②ゴールドは配当や利益成長を生まない資産で、価格上昇のみがリターンの源泉であること。③過去には1980年頃の高値から約20年間低迷した時期もあり、長期で常に上昇してきた資産ではないことです。

※ 本記事のバックテスト結果は過去の基準価額データに基づく試算であり、将来の運用成果を示すものではありません。本記事は特定の金融商品や配分比率の購入・採用を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬等のスペックは各社の最新目論見書でご確認ください。

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