オルカン×NASDAQ100は何対何?
比率別バックテスト比較【2020〜2025年】

「オルカンにNASDAQ100を混ぜるなら、比率は何対何がいいのか?」——この疑問に実際の投資信託データで答えます。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とiFreeNEXT NASDAQ100インデックスを、100:0から50:50、そしてNASDAQ100単体まで6パターンの比率で月3万円積立バックテストしました。先に結論の要点:この期間(2020年8月〜2025年10月)では、NASDAQ100の比率を10%増やすごとに最終評価額は約5.0万円ずつ増えましたが、最大ドローダウンも約0.5ポイントずつ拡大し、シャープレシオ(リスク効率)は一貫して低下しました。

バックテストの条件

今回のバックテストは以下の条件で実施しました。両ファンドの共通データが揃う最も長い期間を採用しています。

項目設定値
対象ファンド①eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
対象ファンド②iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
比率パターン100:0 / 80:20 / 70:30 / 60:40 / 50:50 / 0:100(オルカン:NASDAQ100)
バックテスト期間2020年8月〜2025年10月
毎月の積立額30,000円(初期投資なし・積立62回)
総投資額1,860,000円
積立配分について:毎月の積立額を指定比率で各ファンドに配分して購入し続ける方式です(途中の売買によるリバランスなし)。年率リターン・ボラティリティ・シャープレシオの指標は、配分比率で加重した基準価額ベースの月次リターンから算出しています。

比率別バックテスト結果の一覧

同じ期間・同じ積立額で、比率だけを変えた結果がこちらです。

比率
(オルカン:NASDAQ100)
最終評価額 総リターン 年率リターン
(CAGR)
ボラティリティ シャープレシオ 最大ドローダウン
100 : 03,229,854円+73.65%21.45%14.07%1.45-8.03%
80 : 203,329,903円+79.03%22.24%15.01%1.42-9.15%
70 : 303,379,927円+81.72%22.62%15.56%1.39-9.68%
60 : 403,429,952円+84.41%22.99%16.15%1.37-10.20%
50 : 503,479,976円+87.10%23.34%16.78%1.34-10.75%
0 : 1003,730,098円+100.54%24.96%20.39%1.20-14.09%

表のとおり、NASDAQ100の比率を上げるほどリターンは増え、同時にボラティリティ・最大ドローダウンも増える、教科書どおりのトレードオフが数字で確認できます。オルカン100%とNASDAQ100単体の最終評価額の差は約50.0万円。一方で最大ドローダウンの差は約6ポイント、シャープレシオの差は0.25です。

下の各リンクから、同じ条件をFundLabのバックテスト画面でそのまま再現できます(積立額や期間も自由に変更できます)。

注目ポイント①:比率10%ごとに最終評価額は約5万円、下落幅は約0.5ポイント増えた

混合比率の範囲(100:0〜50:50)では、NASDAQ100を10%増やすごとに最終評価額がほぼきれいに約5.0万円ずつ増えています。同時に、最大ドローダウンは約0.5ポイント、ボラティリティは約0.5〜0.6ポイントずつ拡大しました。

つまりこの期間に関する限り、「どの比率が正解か」という問いは「追加のリターンと引き換えに、どこまで深い下落に耐えられるか」という問いと同じでした。リターンだけを見て比率を決めると、下落局面で想定以上の含み損を抱えることになります。

📌 2つのファンドの中身の重なりに注意

オルカン(MSCI ACWI連動)は約2,800銘柄への全世界分散ですが、米国比率が約65%を占め、その上位にはApple・NVIDIA・Microsoftなどが入ります。NASDAQ100はナスダック上場の非金融大型100銘柄で、同じハイテク大型株が高比率です。つまり両者を混ぜることは「分散を広げる」というより「米国ハイテクへの傾斜を強める」操作に近く、比率を上げるほど値動きがNASDAQ100に引っ張られます。

注目ポイント②:シャープレシオが最も高かったのはオルカン100%

シャープレシオ(リスク1単位あたりのリターン)で見ると、結果は一転します。最も高かったのはオルカン100%の1.45で、NASDAQ100の比率を上げるほど1.42→1.39→1.37→1.34と一貫して低下し、NASDAQ100単体では1.20でした。

FundLabのポートフォリオ最適化(現代ポートフォリオ理論)でこの2ファンド・同期間の最大シャープレシオ配分を計算しても、結果は「オルカン100%」となりました。これは「この期間のデータでは、NASDAQ100を混ぜてもリスクの増加に見合うだけの効率改善はなかった」ことを意味します。

ただし、これは「混ぜる意味がない」という結論ではありません。リスク効率(シャープレシオ)を最優先するか、多少効率を犠牲にしても絶対リターンを追うかは、投資家ごとの判断です。両ファンドとも1.2以上で、過去データでは高い水準でした。

注目ポイント③:下落年(2022年)に比率の差がはっきり出た

年ごとのリターンを見ると、比率の違いが最も大きく表れたのは下落年の2022年です。

比率(オルカン:NASDAQ100)2022年(下落年)2023年(反発年)
100 : 0-5.66%+29.04%
80 : 20-9.33%+34.87%
70 : 30-11.13%+37.87%
60 : 40-12.92%+40.94%
50 : 50-14.69%+44.06%
0 : 100-23.28%+60.69%

2022年はオルカン100%なら-5.66%で済んだ下落が、50:50では-14.69%、NASDAQ100単体では-23.28%まで拡大しました。一方、翌2023年の反発はNASDAQ100比率が高いほど大きくなっています(+29.04%→+60.69%)。比率を決める際は「上昇年にいくら増えるか」より「下落年にこの含み損で積立を続けられるか」を想像するほうが実践的です。途中でやめてしまえば、その後の反発も取り逃すことになります。

「期間によって結果は大きく変わる」

重要な注意点があります。このバックテストの結果は2020年8月〜2025年10月という特定の期間のものです。

この期間は、コロナショック後の回復から始まり、2023〜2024年のAI・半導体ブームでNASDAQ100が世界をリードした、ハイテク株に有利な時期を多く含みます。2000年のITバブル崩壊後のように、ナスダックが長期にわたり低迷した時期を含めれば、NASDAQ100比率が高いほど結果が悪化するケースも起こりえます。米国ハイテク株が今後も世界をリードし続けるかは誰にも分かりません。

「何対何が正解か」は過去データだけでは決まらず、自分のリスク許容度・投資期間・下落時の精神的な耐久力に合わせた選択が重要です。

FundLabで自分の条件で試す

この記事では月3万円・6パターンの比率で比較しましたが、FundLabでは比率を1%刻みで自由に設定でき、積立額・開始時期も変更できます。90:10や65:35など、気になる比率をそのまま検証できます。

将来の資産がどう広がるかはモンテカルロシミュレーションで、2つのファンドの値動きの重なり具合は相関マトリクスでも確認できます。

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比率・積立額・開始時期を自由に設定して、過去データで検証できます。
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よくある質問

Q. オルカンとNASDAQ100を混ぜると、過去の積立実績はどう変わりましたか?

2020年8月〜2025年10月に月3万円(総投資額186万円)を積み立てたバックテストでは、NASDAQ100の比率を10%増やすごとに最終評価額は約5.0万円ずつ増加し(オルカン100%で約323.0万円、50:50で約348.0万円、NASDAQ100単体で約373.0万円)、一方で最大ドローダウンは約0.5ポイントずつ拡大(8.03%→10.75%→14.09%)、シャープレシオは低下(1.45→1.34→1.20)しました。

Q. オルカンとNASDAQ100の最適な比率は何対何ですか?

最適な比率は投資家のリスク許容度によって異なり、一概には言えません。過去データ(2020年8月〜2025年10月)では、シャープレシオが最も高かったのはオルカン100%(1.45)で、現代ポートフォリオ理論による最大シャープレシオの計算でも同じ結果でした。一方、最終評価額が最も大きかったのはNASDAQ100単体(約373.0万円)です。ご自身が耐えられる下落幅から逆算して検討する方法があります。

Q. NASDAQ100の比率を上げるとリスクはどのくらい増えますか?

このバックテストでは、NASDAQ100の比率を10%増やすごとにボラティリティは約0.5〜0.6ポイント、最大ドローダウンは約0.5ポイントずつ増加しました。下落年だった2022年の年間リターンでは、オルカン100%の-5.66%に対し、70:30は-11.13%、50:50は-14.69%、NASDAQ100単体は-23.28%でした。

Q. このバックテストの配分は途中でリバランスされますか?

毎月の積立額を指定した比率で各ファンドに配分して購入し続ける方式で、途中の売買によるリバランスは行いません(評価額は積み上げた口数×基準価額で計算)。なお年率リターン・ボラティリティ・シャープレシオの指標は、配分比率で加重した基準価額ベースの月次リターンから算出しています。

※ 本記事のバックテスト結果は過去の基準価額データに基づく試算であり、将来の運用成果を示すものではありません。本記事は特定の金融商品や配分比率の購入・採用を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬等のスペックは各社の最新目論見書でご確認ください。

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