Analysis

インデックスファンド vs アクティブファンド|世界株式22本の5年実績で比較

全世界株式のインデックス10本とアクティブ12本を、同じ5年間のリターン、シャープレシオ、最大ドローダウン、信託報酬の中央値で比較します。

インデックスファンドは、「市場全体についていく」運用です。

アクティブファンドは、「市場から選び抜く」運用です。

映画にたとえるなら、インデックスは観客全員を映す大きなカメラ。アクティブは、監督が「この人を主役にする」と決めてカメラを向ける作品です。

どちらが面白いかは、作品によって変わります。では、投資の成績はどうだったのでしょうか。

FundLabで5年分のデータを確認できる全世界株式カテゴリから、比較条件を満たすインデックス10本とアクティブ12本を集計しました。

2020年11月から2025年11月までの中央値は、

でした。信託報酬の中央値にも大きな差がありました。

ただし、これは「アクティブは常に負ける」という証明ではありません。対象ファンドも期間も限られた、一つのスナップショットです。結果を勝敗表で終わらせず、なぜ差が出るのか、どう使えばよいのかまで見ていきます。記事の最後では、具体的な2本であるオルカンとキャピタル世界株式の比較へ進みます。

インデックス型とアクティブ型の違い

金融庁は、インデックス型を特定の株価指数などに連動して運用される商品、アクティブ型をファンドマネージャーの投資判断に基づいて運用される商品と説明しています。

インデックスファンド

あらかじめ決められた指数への連動を目指します。

たとえば全世界株式なら、世界の株式市場を表す指数に沿って多くの銘柄を保有します。どの企業を多く持つかは、基本的に指数のルールで決まります。

主な特徴は次のとおりです。

アクティブファンド

運用チームが企業、業種、国などを調査し、投資先や比率を判断します。

主な特徴は次のとおりです。

インデックスが「ルールを選ぶ投資」なら、アクティブは「運用判断も含めて選ぶ投資」と言えます。

全世界株式22本を同じ5年間で集計

比較対象は、FundLabで全世界株式に分類され、2020年11月〜2025年11月のデータを確認できるファンドです。為替ヘッジ型や高配当型など、比較目的が大きくずれるものを除き、指数連動が明確な10本とアクティブ運用が明確な12本を集計しました。

指標の中央値インデックス10本アクティブ12本
年率リターン21.18%15.31%
シャープレシオ1.580.96
年率ボラティリティ13.34%15.41%
最大ドローダウン-11.54%-15.77%
信託報酬0.11%1.67%

信託報酬は取得できたファンドのみで集計し、インデックス10本、アクティブ9本の中央値です。

この期間のサンプルでは、インデックス群はリターンの中央値が高いだけでなく、ボラティリティと最大ドローダウンの中央値も小さくなりました。リスクに対するリターンの効率を示すシャープレシオも、インデックス群が上回っています。

アクティブ12本の年率リターンは10.42%〜18.58%で、インデックス10本の中央値21.18%を上回ったアクティブは0本でした。これは、この限られた対象と期間ではアクティブ群の中にもインデックス中央値を超えた例がなかった、という集計結果です。

数字だけ見れば、かなりはっきりした結果です。

しかし、ここで「もう答えは出た」とページを閉じると、いちばん大切な部分を見落とします。

この5年間の結果は、永久判定ではない

アクティブファンドは、指数と違う銘柄や比率を選ぶからこそ、指数と違う成績になります。

その違いは、ある相場では追い風になり、別の相場では向かい風になります。たとえば大型株が市場を強く引っ張る期間には、時価総額に応じて大型株を多く持つ指数が有利になることがあります。一方、市場の主役が入れ替われば、指数と異なる投資先を持つアクティブが上回る可能性もあります。

つまり、アクティブファンドの個性は、勝つための翼であると同時に、指数から離れるリスクでもあります。

さらに、今回の集計は22本に限られます。世界のすべてのインデックスファンド、すべてのアクティブファンドを対象にしたものではありません。運用を終了したファンドを含まないため、生存者バイアスの影響も考えられます。

この数字から言えるのは、

FundLabで比較可能な全世界株式22本のこの5年間では、インデックス群の中央値が複数の指標で上回った

というところまでです。対象が22本に限られ、運用を終了したファンドを含まないため、この0本という結果も将来やアクティブファンド全体へ一般化できません。

では、毎年確実に効いてくる差は何か。次はコストの話です。

信託報酬の差は、アクティブが毎年越えるハードルになる

今回の信託報酬の中央値は、

でした。差は年1.56ポイントです。

信託報酬は、運用成績が良い年にも悪い年にも、信託財産から差し引かれます。アクティブファンドがインデックスファンドより高い手取り成果を残すには、銘柄選択などによる差が、このコスト差も含めて上回る必要があります。

ただし、「成績差はすべて信託報酬のせい」と考えるのも正確ではありません。実際の差には、保有銘柄、国別配分、現金比率、売買、為替、分配方針など、多くの要因が含まれます。

コストは確実に確認できる要素ですが、結果の原因を一つに決めつけないことが大切です。

それでもアクティブファンドを見る意味はどこにある?

アクティブファンドの価値を、過去5年の順位だけで測ると、運用の意図を見落とすことがあります。

確認したいのは、少なくとも次の点です。

「有名な運用者だから」「受賞しているから」だけでは、保有を続ける理由として弱いかもしれません。

反対に、投資哲学を理解し、その違いを意図して選ぶなら、アクティブファンドは単なる“高コスト版インデックス”ではありません。

比較は「方式」から「具体的なファンド名」へ

インデックス対アクティブという大きな議論は、最後には具体的な2本へ降りてくる必要があります。

同じアクティブでも、保有銘柄も値動きも違います。同じインデックスでも、信託報酬や指数との連動精度に差があります。

FundLabのバックテストでは、気になるファンド名を選んで、同じ期間の実績を比較できます。

見る順番は次のとおりです。

  1. 投資対象が近い2本を選ぶ
  2. 開始月と終了月をそろえる
  3. 累積リターンだけでなく最大ドローダウンを見る
  4. ボラティリティとシャープレシオを見る
  5. 3年・5年など期間を変える
  6. 最後に信託報酬と運用方針を確認する

方式の議論だけでは、自分が検討しているファンドの答えにはなりません。次の記事では、同じ世界株式に投資する「オルカン」と「キャピタル世界株式ファンド」を、具体名で比較します。キャピタル世界株式が今回のインデックス中央値を上回った例という意味ではなく、投資対象を近づけたうえで二つの設計を1対1で読むための比較です。

まとめ

市場全体を買うのか。運用チームの選択に託すのか。

その違いは、正解と不正解ではなく、どんなルールと、どんなズレを引き受けるかの違いです。

方式の議論を、具体的なファンド名へ

気になる2本を同じ期間で重ね、値動き・下落・リスクに対するリターンを確かめられます。

具体的なファンドを比較する

データと表示に関する注記

集計対象

インデックス10本

たわらノーロード 全世界株式、つみたて全世界株式、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、My SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)、SBI・全世界株式インデックス・ファンド、SMT グローバル株式インデックス・オープン、eMAXIS 全世界株式インデックス(除く日本)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)

アクティブ12本

ひふみワールド、ひふみワールド+、りそな つみたてグローバル株式アクティブファンド、アライアンス・バーンスタイン・グローバル・グロース・オポチュニティーズ(年2回決算型)、キャピタル世界株式ファンド、グローバル・バリュー・オープン、グローバル・ベスト・ファンド、ハリス世界株ファンド(資産成長型)、フィデリティ・グローバル・ファンド、ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド、農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)、iTrust世界株式

参考資料

一括 vs 積立バックテストファンド比較