世界の株式を、できるだけ丸ごと持つ。
それとも、世界の企業から運用チームが選び抜く。
同じ「世界株式」という看板でも、この二つは違う旅の仕方です。
今回比べるのは、
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカン
- キャピタル世界株式ファンド
です。
オルカンは世界株式指数への連動を目指すインデックスファンド。キャピタル世界株式ファンドは、運用チームの判断で銘柄を選ぶアクティブファンドです。同じ世界株式に投資する2本なので、運用方法の違いを比べやすい組み合わせです。キャピタル世界株式ファンドの純資産総額は2026年7月24日時点で1兆1,373.5億円でした。
2020年11月から2025年11月までの同じ5年間では、年率リターンはオルカン21.34%、キャピタル世界株式17.80%でした。100万円を一括投資した単純試算では、5年後の差は約36.3万円です。
ただし、これはゴール判定ではありません。3年間に期間を変えると差は縮まります。結果の数字だけでなく、なぜ二つが違う動きをするのかを見ていきましょう。
同じカテゴリ全体の傾向は、先にインデックス vs アクティブの22本比較で確認できます。
2本の違いを、ひと言で言うと
オルカン:世界市場の変化を、指数のルールで取り込む
オルカンは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指します。日本を含む先進国と新興国の大型・中型株を幅広く含む指数です。
ある企業の市場価値が大きくなれば、その企業の比率は自然に高くなります。反対に、市場での存在感が小さくなれば比率も下がります。
運用者が「次に上がりそうな企業」を選ぶのではなく、世界市場の現在地を指数のルールで持つ設計です。
キャピタル世界株式:運用チームの調査と判断で企業を選ぶ
キャピタル世界株式ファンドは、投資対象ファンドを通じて世界の株式に投資します。複数の運用担当者が企業を調査し、それぞれの判断を組み合わせる運用体制です。
指数と同じ比率を目指すわけではないため、オルカンを上回る可能性も、下回る可能性もあります。
オルカンが「世界市場を持つ」設計なら、キャピタル世界株式は「世界から選ぶ」設計です。
5年間の実績比較
| 指標 | オルカン | キャピタル世界株式 |
|---|---|---|
| 年率リターン(CAGR) | 21.34% | 17.80% |
| 5年間の累積リターン | 163.09% | 126.80% |
| 年率ボラティリティ | 13.33% | 14.71% |
| 最大ドローダウン | -11.50% | -15.16% |
| シャープレシオ | 1.59 | 1.20 |
| 信託報酬(年率・税込) | 0.05757% | 1.69400% |
比較期間は2020年11月〜2025年11月です。
開始時に100万円を一括投資し、そのまま保有したと仮定すると、基準価額ベースの5年後は、
- オルカン:約263.1万円
- キャピタル世界株式:約226.8万円
となりました。
この期間は、リターン、ボラティリティ、最大ドローダウン、シャープレシオのすべてでオルカンが上回りました。
しかし、「インデックスだから勝った」「アクティブだから負けた」と一言で片づけることはできません。二つのファンドには、銘柄、国別比率、業種配分、売買、現金比率、コストなど複数の違いがあります。
信託報酬の差は大きい。でも、成績差のすべてではない
信託報酬は、
- オルカン:年0.05757%
- キャピタル世界株式:年1.69400%
で、年1.63643ポイントの差があります。
信託報酬は、保有中に信託財産から継続的に差し引かれます。アクティブファンドがコスト差を含めてオルカンを上回るには、銘柄選択や配分判断などで、その差以上の付加価値を生み出す必要があります。
とはいえ、5年間の最終金額差約36.3万円を、すべて信託報酬の差と考えるのは誤りです。
オルカンとキャピタル世界株式では、中身そのものが違います。実際の成績差は、コストだけでなく、どの企業をどれだけ持っていたか、その判断がこの期間の市場と合っていたかを含む結果です。
コストは確実に確認できる。けれど、原因はコストだけではない。この二つを同時に覚えておく必要があります。
3年にすると、差は縮まった
同じ2本を2022年11月〜2025年11月の3年間で比べると、次の結果でした。
| 指標 | オルカン | キャピタル世界株式 |
|---|---|---|
| 年率リターン | 24.33% | 22.76% |
| 年率ボラティリティ | 13.23% | 13.95% |
| 最大ドローダウン | -11.50% | -12.12% |
| シャープレシオ | 1.83 | 1.62 |
年率リターンの差は、5年比較の3.54ポイントから、3年比較では1.57ポイントに縮まりました。
比較期間を変えてもオルカンが上回った点は同じです。ただし、差の大きさは同じではありません。
この変化は、投資記事で一つの期間だけを見る危うさを示しています。切り取る窓を変えれば、見える景色も変わります。
開始月を1か月変えるだけでも、差は動きます。それを自分の手で確かめられるのが、次の手順です。
アクティブファンドを見るなら「負けた理由」まで読めるか
アクティブファンドは、指数から離れることに意味があります。
だからこそ、確認したいのは直近の順位だけではありません。
- どのような企業を選ぶ方針か
- 指数と違う国・業種の比率はどこか
- 運用チームや方針に継続性があるか
- 指数を下回った期間に、運用会社は何を説明しているか
- その説明を理解し、保有を続けられるか
アクティブファンドを選ぶことは、上回る可能性だけでなく、指数と違う道を進む時間も引き受けることです。
反対にオルカンを選んでも、世界株式市場そのものが下落すれば基準価額は下がります。低コストだから元本が守られるわけではありません。
どちらにも、別の種類の「持ち続ける難しさ」があります。
FundLabでこの2本を比較する手順
FundLabのバックテストで、次の2本を検索します。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- キャピタル世界株式ファンド
まず5年で累積リターンを見たあと、次の順に確かめてください。
- 最大ドローダウンを比べる
- ボラティリティを比べる
- シャープレシオを比べる
- 期間を3年に変える
- 開始月を変えたとき、差がどう動くかを見る
- 最後に各社の目論見書と運用レポートで、費用と運用方針を確認する
「どちらが勝ったか」だけでなく、いつ差が広がり、どんな下落を通ったかを見ると、二つの設計思想が値動きとして理解できます。
よくある質問
結局、オルカンとキャピタル世界株式はどちらがよいですか?
本記事の5年・3年比較ではオルカンが複数の指標で上回りました。ただし、過去の固定期間の結果だけで、将来の優劣や個人に適した商品を決めることはできません。低コストで指数連動を目指す設計と、コストを負担して運用判断に委ねる設計のどちらを理解して保有できるか、という違いがあります。
キャピタル世界株式は、オルカンと同じ銘柄を持っていますか?
一部は重なる可能性がありますが、同じ比率で保有するわけではありません。オルカンは指数への連動を目指し、キャピタル世界株式は運用チームが銘柄や比率を判断します。最新の組入銘柄は各社の月次レポートで確認してください。
過去5年でオルカンが上なら、今後も同じですか?
この比較からは判断できません。市場の主役、為替、国別・業種別の動きが変われば、差も変わります。過去の実績は将来の成果を保証しません。
まとめ
- オルカンは世界株式指数への連動を目指すインデックスファンド
- キャピタル世界株式は運用チームが銘柄を選ぶアクティブファンド
- 2020年11月〜2025年11月の年率リターンは、オルカン21.34%、キャピタル世界株式17.80%
- 100万円の単純試算では5年後に約36.3万円の差
- 3年比較では年率リターンの差が縮まった
- 信託報酬差は重要だが、成績差のすべてをコストだけでは説明できない
市場を丸ごと持つのか。世界から選び抜く運用に託すのか。
答えを急ぐ前に、FundLabで二つの線を同じ期間に重ねてみてください。商品名の違いが、値動きの違いに変わる瞬間が、この比較のいちばん面白いところです。
2本の「設計の違い」を値動きで見る
オルカンとキャピタル世界株式を同じ期間にそろえ、3年・5年で差の動き方を確かめられます。
2本をバックテストで比較するデータと表示に関する注記
- 5年比較:2020年11月〜2025年11月
- 3年比較:2022年11月〜2025年11月
- データ生成日:2026年7月24日
- 年率リターン、ボラティリティ、最大ドローダウン、シャープレシオは月次基準価額から算出
- 累積リターンと100万円の試算は基準価額ベース。税金等は考慮していません。
- 信託報酬は記事作成時点で取得した公表情報に基づきます。最新の費用・商品性は交付目論見書で確認してください。
- 過去の実績は将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。本記事は情報提供を目的とし、特定商品の購入・売却を推奨するものではありません。