リバランスあり・なしで何が変わる?
国内債券70%+FANG+30%を比較

リバランスは、値動きで崩れた資産配分を元へ戻す作業です。では、実際に「する・しない」で結果はどれほど変わるのでしょうか。100万円をeMAXIS Slim 国内債券インデックス70%とiFreeNEXT FANG+インデックス30%へ一括投資し、その後は積み立てない条件で、バックテストとモンテカルロの両方を比べました。金額だけでなく、途中の下落と終了時の配分まで見ると、リバランスの役割がはっきり見えてきます。

まず結論:増えた金額より「配分が何に変わったか」が重要

100万円を国内債券70%・FANG+30%へ一括投資し、その後は積み立てなかった場合、2020年4月〜2026年1月の実績では、リバランスなしの最終評価額が高くなりました。しかし、それは70対30を保った結果ではありません。値上がりしたFANG+が、終了時には約75%まで増えていました。

リバランスなし
240.4万円
終了時のFANG+ 75.38%
年1回(リバランスあり)
173.0万円
終了時のFANG+ 37.86%
最大下落率
19.71→15.21%
年1回(リバランスあり)で4.50ポイント縮小
  • リバランスなし:好調だったFANG+を売らないため、過去の最終金額は大きくなった。その代わり、当初より株式への偏りが強くなった。
  • 年1回(リバランスあり):増えたFANG+の一部を国内債券へ戻すため、最終金額は低くなった。一方、値動きと最大下落は小さくなった。
  • この結果が教えるのは優劣ではなく、リバランスは「決めたリスク配分を守る仕組み」だということ。

リバランスとは?崩れた70対30を元へ戻すこと

最初に100万円を国内債券70万円、FANG+30万円へ分けても、その比率はずっと同じではありません。FANG+だけが大きく値上がりすれば、資産全体に占めるFANG+の割合が増えます。

リバランスなしでは、その変化をそのまま受け入れます。年1回(リバランスあり)では、年に一度、増えた側を一部売って減った側を買い、70対30へ戻します。スポーツにたとえるなら、攻撃役が増えすぎたチームを、決めていた守備との人数バランスへ戻す作業です。

大切な点
リバランスは「利益を増やす必勝法」ではありません。値上がりを続ける資産を途中で売るため、今回のように最終金額が低くなることもあります。目的は、最初に決めた値動きの大きさへ近づけることです。

比較条件:金額の追加をせず、リバランスだけを変える

リバランス以外の影響を混ぜないため、運用開始時に100万円を一括投資し、その後の積立は0円で統一しました。2本の共通データがそろう最長期間を使っています。

資産配分eMAXIS Slim 国内債券インデックス 70%
iFreeNEXT FANG+インデックス 30%
初期投資・積立100万円を一括投資・その後の積立0円
バックテスト期間2020年4月〜2026年1月
比較する設定リバランスなし/年1回(リバランスあり)
モンテカルロ5年間・1,000回。各方式に同じ月次リターンの抽選順を使用
物価対応オフ
計算日2026年9月4日
この70対30は、差を見やすくするための比較例です。特定のファンドや配分を勧めるものではありません。実際の運用では、税金や売買コスト、売買の手間も考える必要がありますが、本試算には含めていません。

バックテスト:なしは240万円、年1回(リバランスあり)は173万円

100万円を一括投資した結果、この期間はFANG+の値上がりが大きく、売らずに保有した「リバランスなし」のほうが高いリターンになりました。一方、年1回(リバランスあり)はFANG+の増えすぎを抑えたため、値動きの荒さと最大下落率が小さくなっています。

指標リバランスなし年1回(リバランスあり)
最終評価額2,403,935円1,730,370円
累積リターン140.39%73.04%
CAGR(年平均成長率)16.48%10.01%
ボラティリティ(値動き)14.74%9.47%
最大下落率19.71%15.21%
シャープレシオ1.111.05

最終評価額の差は約67万円です。ただし「なし」は、FANG+への投資比率を30%に保った成績ではありません。途中からはFANG+の値動きがポートフォリオ全体を大きく左右する状態へ変わっていました。

終了時配分:30%だったFANG+が75%まで増えた

資産開始時リバランスなし・終了時年1回(リバランスあり)・終了時
国内債券70.00%24.62%62.14%
FANG+30.00%75.38%37.86%

リバランスなしでは、国内債券中心だったはずの配分が、終了時にはFANG+中心へ入れ替わっています。年1回(リバランスあり)でも最後のリバランス後の値動きで30%から37.86%へ増えましたが、リバランスなしより当初の配分に近く保たれました。

つまり「なし」を選ぶことは、何もしない中立な選択ではありません。値上がりした資産へ自然に集中していく方針を選ぶことでもあります。

なぜリバランスすると今回のリターンが下がったのか

理由は単純です。年1回(リバランスあり)の設定では、値上がりして30%を超えたFANG+を売り、国内債券を買い足します。その後もFANG+の上昇が続いたため、売らずに持ち続けた「リバランスなし」が有利になりました。

しかし、値上がりした後に大きく下がる期間なら、結果は逆方向へ動くことがあります。高くなった資産の一部を減らしておけば、その資産が下がったときの影響も小さくなるからです。今回の最大下落率が19.71%から15.21%へ縮んだのは、その違いが表れた例です。

「リバランスなしのほうが67万円多い」だけで結論を出さないでください。その金額差と引き換えに、FANG+比率は30%から75%へ増えています。見るべきなのは金額、下落、終了時配分の3つです。

モンテカルロ:5年間を1,000通りで比べる

次に、同じく100万円を一括投資し、その後は積み立てない条件で、過去69か月の月次リターンから毎月の値動きをランダムに選び、5年間を1,000回試算しました。2つの設定には同じ抽選順を使っているため、表の差はリバランス設定から生じます。

5年後の評価額リバランスなし年1回(リバランスあり)
下位5%1,144,926円1,105,399円
中央値2,039,333円1,590,874円
上位5%4,500,696円2,397,959円

100万円を一括投資した5年後の中央値は、「リバランスなし」が約204万円、「年1回(リバランスあり)」が約159万円となりました。上位側ほど差が広がっています。FANG+が大きく伸びる並びでは、売らずに比率が増える「リバランスなし」がその上昇を強く受けるためです。

ただし、この試算の材料は2020年4月〜2026年1月という限られた期間です。この期間はFANG+が好調だったため、ランダムに並べ替えても、その高いリターンの特徴は残ります。数字をそのまま将来へ延ばすのではなく、配分がどれほど変わり得るかを見る実験として読んでください。

モンテカルロでも、なしはFANG+約69%へ

1,000回の終了時配分を平均すると、「リバランスなし」はFANG+が69.1%まで増えました。結果の中央80%が入る範囲は53.7〜83.5%です。「年1回(リバランスあり)」は平均37.8%、範囲30.5〜46.1%でした。

FANG+の終了時比率平均10〜90%の範囲
リバランスなし69.1%53.7〜83.5%
年1回(リバランスあり)37.8%30.5〜46.1%

将来の金額には大きな幅がありますが、リバランスが配分の広がりを抑える役割は、この試算でも確認できます。年1回(リバランスあり)の結果が30%ちょうどではないのは、最後のリバランス後にも値動きがあるためです。

「あり・なし」は何を基準に選べばよいか

判断の出発点は、リターンの高低ではなく、配分が崩れたときにどこまで許容するかです。

  • なし:値上がりした資産の比率が増えることを受け入れる。売買は少ないが、最初に決めたリスク水準から離れやすい。
  • 毎月・3か月ごと:配分を目標へ近づけやすい。実際の運用では売買回数が増えやすい。
  • 半年ごと・年1回:一定のずれを許容しながら、定期的に元へ戻す。

FundLabでは、なし・毎月・3か月ごと・半年ごと・年1回の5種類を選べます。まず「なし」と「年1回」を比べ、差が大きければ頻度を細かく変えてみると、複雑になりすぎません。

同じ70対30をFundLabで試す

下のボタンは、今回の2本・70対30・100万円を一括投資・その後の積立0円を入力した状態で開きます。バックテストではリバランスを「なし」と「年1回(リバランスあり)」に変えて2回計算してください。モンテカルロでは期間を5年にして、同じように2回試すと比較できます。モンテカルロの結果は実行ごとに少し変わります。

リバランスで金額・下落・配分がどう変わるか確認

最終評価額だけでなく、最大下落率と終了時の資産配分も並べて見てください。

この比較の限界

今回の結果は、2本の共通データがそろう2020年4月〜2026年1月に限られます。FANG+が好調だった期間を含むため、リバランスなしに有利な結果が出やすい点に注意が必要です。また、月次データを使うため、月の途中に起きた下落や回復をすべて表すものではありません。

モンテカルロも、同じ69か月の値動きを材料にした試算です。将来の相場環境、税金、売買コストを織り込んでいません。特定の金融商品や70対30という配分を勧めるものではなく、将来の運用成果を保証しません。

よくある質問

Q. リバランスとは何ですか?
値動きで崩れた資産配分を、決めた比率へ戻すことです。国内債券70%・FANG+30%なら、FANG+が値上がりして比率が増えたときに一部を売り、国内債券を買って70対30へ近づけます。
Q. リバランスをするとリターンは必ず下がりますか?
必ず下がるわけではありません。上がり続けた資産を売れば結果は低くなりやすい一方、その後に値下がりすれば比率を戻したことが助けになる場合もあります。リバランスの主目的は、リターンを最大にすることではなく、決めたリスク配分を保つことです。
Q. リバランスは毎月と年1回のどちらがよいですか?
一律の正解はありません。頻度が高いほど配分は目標へ近づきますが、実際の運用では売買の手間や税金、売買コストも増えやすくなります。FundLabでは、なし・毎月・3か月ごと・半年ごと・年1回を同じ条件で比べられます。
Q. この記事のモンテカルロ結果は将来を保証しますか?
保証しません。2020年4月〜2026年1月の69か月に含まれる値動きをランダムに並べ替えた試算です。この期間はFANG+が好調だったため、その特徴が結果に強く表れています。相場環境や期間が変われば結果も変わります。
💸
取り崩し
🎲
モンテカルロ
📊
バックテスト
🥧
アセット配分
🔗
相関
🏆
ランキング