バックテストの条件
今回のバックテストは以下の条件で実施しました。両ファンドの共通データが揃う最も長い期間を採用しています。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 対象ファンド① | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス |
| 対象ファンド② | iFreeNEXT FANG+インデックス |
| バックテスト期間 | 2020年8月〜2026年1月 |
| 毎月の積立額 | 30,000円(初期投資なし・積立65回) |
| 総投資額 | 1,950,000円 |
バックテスト結果の比較
同じ条件で積み立てた場合の結果を比較します(各指標で良かった側を色付き表示)。
| 指標 | NASDAQ100 | FANG+ |
|---|---|---|
| 総投資額 | 1,950,000円 | 1,950,000円 |
| 最終評価額 | 3,831,179円 | 4,569,860円 |
| 総リターン | +96.47% | +134.35% |
| 年率リターン(CAGR) | 23.75% | 28.82% |
| ボラティリティ | 19.97% | 26.28% |
| 最大ドローダウン | -14.09% | -16.60% |
| シャープレシオ | 1.17 | 1.10 |
この期間においては、リターンはFANG+が大きく上回り(最終評価額で約73.9万円差)、リスクの低さとリスク効率(シャープレシオ)はNASDAQ100が上回るという対照的な結果になりました。
下の各リンクから、同じ条件をFundLabのバックテスト画面でそのまま再現できます(積立額や期間も自由に変更できます)。
注目ポイント①:FANG+の勝因は「2023〜2024年の2年間」に集中
年ごとのリターンを並べると、差がいつ生まれたのかがはっきり分かります。
| 年 | NASDAQ100 | FANG+ |
|---|---|---|
| 2020年(8月〜) | +13.69% | +16.04% |
| 2021年 | +39.87% | +24.01% |
| 2022年 | -23.28% | -31.16% |
| 2023年 | +60.69% | +99.10% |
| 2024年 | +41.17% | +69.65% |
| 2025年 | +18.90% | +17.33% |
| 2026年(1月まで) | -0.50% | -4.91% |
FANG+が勝ったのは2020年(部分年)・2023年・2024年の3つ、NASDAQ100が勝ったのは2021年・2022年・2025年・2026年の4つ。年別の勝敗ではNASDAQ100が上回っているのに、トータルではFANG+が約73.9万円勝っています。理由は2023年+99.10%・2024年+69.65%という、AIブームを最も強く受けた2年間の上昇幅が桁外れに大きかったためです。
裏を返せば、この2年間を外した期間で比較すれば結果は逆転していたということでもあります。直近の2025年・2026年(1月まで)はNASDAQ100が上回っており、AIブームの恩恵が一巡した後も同じ差が続くとは限りません。
注目ポイント②:10銘柄集中のFANG+はリスクも大きい
リスク指標ではNASDAQ100が明確に有利です。ボラティリティはNASDAQ100の19.97%に対しFANG+は26.28%と6ポイント以上の差。株式下落年の2022年は、NASDAQ100の-23.28%に対しFANG+は-31.16%まで下落しました。
NASDAQ100:NASDAQ市場上場の非金融株上位約100銘柄・時価総額加重。ハイテク中心ながら100銘柄に分散。
FANG+:米国のメガテック・次世代テクノロジー企業を中心とした約10銘柄を等ウェイト(各約10%)で組み入れる超集中型指数。1銘柄の急落が指数全体に約10%の重みで直撃する。
この構造の違いがそのまま値動きの差になっています。10銘柄への集中は上昇局面では大きな追い風になりますが、下落局面では逃げ場のなさにつながります。FANG+の分析記事では、より長い期間の最大ドローダウンが-34%に達したデータも紹介しています。
注目ポイント③:シャープレシオはNASDAQ100が上——「高リターン=効率が良い」ではない
シャープレシオ(リスク1単位あたりのリターン)は、NASDAQ100が1.17、FANG+が1.10。CAGRで5ポイント以上勝っているFANG+が、リスク調整後の効率では負けています。
これは「FANG+はより大きなリスクを取って、その対価としてリターンを得ている」関係を示します。同じ理屈で、S&P500 vs NASDAQ100の比較ではNASDAQ100がリターンで勝ちながらシャープレシオでS&P500に負けていました。S&P500→NASDAQ100→FANG+と集中度を上げるほど、リターンの絶対値と引き換えにリスク効率が下がる構図がデータで確認できます。
両方持てば分散になる?——相関0.78で効果は限定的
「NASDAQ100とFANG+を半々で持てばリスクを抑えられるのでは?」という発想も検証しました。50:50で積み立てた場合の実測は、最終評価額約420.1万円・CAGR 26.49%・ボラティリティ22.48%・最大ドローダウン-14.68%・シャープレシオ1.16と、ほぼ全指標で両者の中間です。
注目すべきは最大ドローダウンがNASDAQ100単体(-14.09%)とほとんど変わらない点です。両者の相関係数は実測0.78(相関係数マトリクス記事参照)と高く、FANG+の主要銘柄の多くはNASDAQ100にも含まれるため、下落局面では一緒に下がります。FundLabのポートフォリオ最適化で最大シャープレシオ配分を計算すると80:20(NASDAQ100:FANG+)が返されましたが、シャープレシオは1.18とNASDAQ100単体の1.17から微増にとどまりました。
値動きの分散が目的なら、オルカン×ゴールドやS&P500×ゴールドのように相関の低い資産を混ぜる方が効果的です。
「期間によって結果は大きく変わる」
注意点があります。このバックテストの結果は、AIブームを含む特定の期間(2020年8月〜2026年1月)のものです。
FANG+の差はほぼ2023〜2024年に生まれており、構成銘柄が約10と少ないため、特定の数銘柄の動向次第で今後の結果は大きく変わります。また両ファンドとも、より長い期間で見れば-30%を超える下落を経験しており、積立を続ける精神的な耐久力が問われる商品です。
「どちらが正解か」は過去データだけでは決まらず、自分のリスク許容度・投資期間・下落時に積立を続けられるかに合わせた選択が重要です。
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この記事では月3万円・2020年8月スタートの条件で比較しましたが、FundLabでは積立額・開始時期・配分比率を自由に設定できます。
「2023年から始めていたら?」「月1万円なら?」など、自分の条件での検証が無料でできます。将来の資産のばらつきはモンテカルロシミュレーションでも確認できます。
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よくある質問
Q. NASDAQ100とFANG+の積立バックテスト、結果はどう違いますか?
2020年8月〜2026年1月に月3万円(総投資額195万円)を積み立てたバックテストでは、FANG+が最終評価額約457.0万円(CAGR 28.82%)となり、NASDAQ100の約383.1万円(CAGR 23.75%)を約73.9万円上回りました。一方、ボラティリティはFANG+ 26.28%・NASDAQ100 19.97%、最大ドローダウンはFANG+ -16.60%・NASDAQ100 -14.09%とリスクはFANG+が大きく、シャープレシオはNASDAQ100が1.17でFANG+の1.10を上回りました。
Q. FANG+の高リターンはいつ生まれたのですか?
ほぼ2023〜2024年の2年間に集中しています。FANG+は2023年+99.10%・2024年+69.65%でNASDAQ100(+60.69%・+41.17%)を大きく上回りました。一方、2021年・2025年・2026年1月まではNASDAQ100が上回っており、年別の勝敗は4勝3敗でNASDAQ100です。AIブームの2年間が全体の結果を決めた構図で、この差が今後も続くとは限りません。
Q. FANG+はなぜNASDAQ100より値動きが大きいのですか?
銘柄数の違いが主因です。FANG+は約10銘柄をほぼ等ウェイト(各約10%)で組み入れる超集中型の指数で、1銘柄の急落が指数全体に約10%の重みで直撃します。NASDAQ100は約100銘柄の時価総額加重で相対的に分散されています。実測でも2022年の下落はFANG+が-31.16%、NASDAQ100が-23.28%でした。
Q. NASDAQ100とFANG+を両方持てば分散になりますか?
分散効果は限定的です。両者の相関係数は実測0.78と高く、FANG+の主要銘柄の多くはNASDAQ100にも含まれるため、下落局面では同時に下がる傾向があります。実測でも50:50配分の最大ドローダウン(-14.68%)はNASDAQ100単体(-14.09%)とほぼ同じでした。値動きの分散にはゴールドや債券など相関の低い資産が必要です。
※ 本記事のバックテスト結果は過去の基準価額データに基づく試算であり、将来の運用成果を示すものではありません。本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬等のスペックは各社の最新目論見書でご確認ください。