オルカンに債券を何割混ぜる?
国内債券・先進国債券の比率別バックテスト比較【2020〜2026年】

「株式だけだと値動きが心配。債券を混ぜると、どれくらい落ち着くのか?」——実際の投資信託のデータで確かめます。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に、eMAXIS Slim 国内債券インデックス、またはeMAXIS Slim 先進国債券インデックス(除く日本)を7パターンの比率で組み合わせ、毎月3万円ずつ積み立てたバックテストを行いました。先に結論の要点:この期間(2020年4月〜2026年4月)では、債券を混ぜた比率(80:20〜30:70)では、債券が多いほど値動きの大きさと最大下落率は小さくなりましたが、リターンも下がりました。さらに、国内債券だけ(0:100)の最大下落率は16.39%で、株式だけ(11.50%)より大きくなりました。日本の金利が上がる局面を含むためと考えられ、「債券なら下がらない」とは言えないことが分かります。

本記事は2026年10月5日時点のデータに基づくスナップショットです(計測期間:2020年4月〜2026年4月)。最新のデータでの結果は、無料のバックテストで同じ条件を指定して確認できます。

バックテストの条件

オルカンと、2種類の債券ファンドをそれぞれ組み合わせました。3本の共通データがそろう同じ期間で計算しています。

項目設定値
株式eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
債券①eMAXIS Slim 国内債券インデックス
債券②eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(除く日本)
比率パターン100:0 / 80:20 / 70:30 / 60:40 / 50:50 / 30:70 / 0:100(オルカン:債券)
バックテスト期間2020年4月〜2026年4月
毎月の積立額30,000円(初期投資なし・積立72回)
総投資額2,160,000円
リバランスなし
計算方法について:毎月の積立額を指定した比率で2本に分けて買い続ける方式です(途中で売って比率を戻すリバランスはしていません)。年率リターン・値動きの大きさ・シャープレシオ・最大下落率は、毎月の積立による入金の影響を除いた運用成績(時間加重)で計算しています。最大下落率は、それまでの最高値からいちばん大きく下がったときの下げ幅です。

結果①:オルカン×国内債券

比率
(オルカン:国内債券)
最終評価額 総リターン 年率リターン
(CAGR)
値動きの大きさ
(ボラティリティ)
シャープレシオ 最大下落率
(最大ドローダウン)
100 : 04,173,000円+93.19%23.70%14.33%1.56-11.50%
80 : 203,722,996円+72.36%19.20%12.21%1.50-10.21%
70 : 303,497,995円+61.94%16.84%11.08%1.46-9.51%
60 : 403,272,993円+51.53%14.39%9.90%1.40-8.74%
50 : 503,047,991円+41.11%11.84%8.66%1.32-7.89%
30 : 702,597,988円+20.28%6.39%5.99%1.04-5.90%
0 : 1001,922,983円-10.97%-2.94%2.61%-1.18-16.39%

計測期間:2020年4月〜2026年4月。毎月3万円積立・リバランスなし。

国内債券を混ぜるほど、値動きの大きさは14.33%から50:50の8.66%へ、最大下落率は11.50%から50:50の7.89%へ小さくなりました(30:70では5.90%)。ただし国内債券だけ(0:100)の最大下落率は16.39%で、後で説明するように株式だけより大きくなっています。一方で年率リターンは23.70%から11.84%へ大きく下がり、国内債券だけ(0:100)では-2.94%とマイナスでした。

下のリンクから、同じ条件(初期投資0円・毎月3万円・リバランスなし)をバックテスト画面で再現できます。10%刻みの11通りを一度に見たいときは配分比率の一括比較(オルカン×国内債券)も使えます(最初に100万円をまとめて投資した場合の比較で、積立ではありません)。

結果②:オルカン×先進国債券

比率
(オルカン:先進国債券)
最終評価額 総リターン 年率リターン
(CAGR)
値動きの大きさ
(ボラティリティ)
シャープレシオ 最大下落率
(最大ドローダウン)
100 : 04,173,000円+93.19%23.70%14.33%1.56-11.50%
80 : 203,873,279円+79.32%20.52%12.69%1.53-10.42%
70 : 303,723,418円+72.38%18.88%11.85%1.52-9.86%
60 : 403,573,558円+65.44%17.19%11.00%1.49-9.27%
50 : 503,423,697円+58.50%15.46%10.15%1.46-8.64%
30 : 703,123,976円+44.63%11.87%8.50%1.35-7.70%
0 : 1002,674,394円+23.81%6.09%6.56%0.91-7.80%

計測期間:2020年4月〜2026年4月。毎月3万円積立・リバランスなし。

先進国債券でも、混ぜるほど値動きと最大下落率は小さくなりました(50:50で値動き10.15%・最大下落率8.64%)。国内債券との違いは、先進国債券だけ(0:100)でも年率6.09%とプラスだった点です。そのぶん、同じ比率なら国内債券よりリターンは高くなっています(50:50で年率15.46%)。

同じ条件はバックテスト画面で再現できます。一括投資での11通りは配分比率の一括比較(オルカン×先進国債券)で確認できます。

注目ポイント①:債券を混ぜると、値動きも下落も小さくなった(リターンも下がった)

オルカン100%で最も大きく下がったのは、2025年1月の高値から2025年4月までの-11.50%でした。国内債券を半分混ぜた50:50では、同じころの下落は-7.89%(2024年12月〜2025年4月)にとどまっています。

ただし、値動きをおだやかにする効果とリターンの低下はセットでした。シャープレシオ(値動きの大きさに対するリターンの効率)も、国内債券では1.56(100:0)から1.32(50:50)へ、先進国債券では1.46(50:50)へ下がっています。この期間は株式のリターンが高く、債券のリターンが低かったためと考えられます。「どのくらい値動きを抑えたいか」と「どのくらいリターンを手放せるか」のバランスで比率を考えることになります。

注目ポイント②:国内債券だけの最大下落率は、株式より大きかった

国内債券だけ(0:100)では、積み立てた2,160,000円が1,922,983円になりました(-10.97%)。入金の影響を除いた値動きで見ると、期間の始めの2020年4月の水準を一度も上回らないまま下がり、2026年4月には2020年4月より16.39%低い水準でした(期間の最後がいちばん低い水準)。これは株式だけの最大下落率(11.50%)より大きな下落です。

📌 金利が上がると、債券の価格が下がる理由

債券は、決まった利息を受け取れる「お金の貸し付け」のようなものです。世の中の金利が上がると、これから新しく発行される債券は利息が高くなります。すると、前に発行された利息の低い債券は魅力が下がり、価格が下がります。この期間は日本の金利が上がる局面が続いたため、国内債券の価格が下がったと考えられます。反対に、金利が下がる局面では債券の価格は上がりやすくなります。

注目ポイント③:先進国債券は為替の影響が大きく、株式と同じ方向に動きやすかった

先進国債券だけ(0:100)の最大下落率は-7.80%(2022年10月〜12月、2023年6月に回復)で、年率は6.09%でした。円で見た外国の債券には為替の影響が含まれます。この期間がプラスだったのは、円安が進んだ影響が大きいと考えられます。

一方、オルカンとの月ごとの値動きの相関係数は、国内債券が0.24、先進国債券が0.68でした(2020年5月〜2026年4月)。先進国債券はオルカンと同じく為替の影響を受けるため、株式と同じ方向に動きやすかったと考えられます。株式と別の動きをしやすかったのは国内債券の方で、同じ「債券」でも役割が違います。

為替の影響を抑えた「為替ヘッジあり」の債券ファンドもありますが、ヘッジにはコストがかかり、結果も変わります。

注目ポイント④:2022年は、株式も債券もそろって下がった

年オルカン100%国内債券だけ先進国債券だけ50:50(国内債券)50:50(先進国債券)
2020年※+27.62%-0.74%+4.74%+12.95%+15.92%
2021年+32.71%-0.25%+3.78%+16.62%+18.56%
2022年-5.58%-5.34%-4.93%-5.47%-5.31%
2023年+30.42%+0.45%+14.03%+16.35%+22.70%
2024年+32.48%-3.07%+9.39%+17.36%+22.06%
2025年+20.51%-6.15%+8.26%+10.36%+15.35%
2026年※+7.59%-2.37%+2.15%+4.26%+5.40%

※ 2020年は4月末〜12月末、2026年は1月〜4月末の値動きです。年ごとのリターンも入金の影響を除いて計算しています。

2022年は、オルカン(-5.58%)、国内債券(-5.34%)、先進国債券(-4.93%)がそろってマイナスでした。世界的に金利が上がった年で、債券を半分混ぜた50:50でも-5.47%(国内債券)、-5.31%(先進国債券)と、下落はほとんど和らいでいません。

「株式が下がる年には債券が支えてくれる」とは限らず、下落の理由によって債券の効き方は変わることが分かります。

注意点:期間と前提によって結果は変わる

このバックテストは2020年4月〜2026年4月の約6年間の結果で、日本の金利の上昇と円安が進んだ局面を含みます。金利が下がる局面では国内債券が上がりやすく、円高が進めば先進国債券は円で見て下がりやすくなるなど、条件が変われば結果も変わります。

債券を混ぜる比率は、どれくらいの下落なら続けられるか、いつごろお金を使う予定かによって人それぞれです。過去のデータは、そのための判断材料の一つとして使ってください。

FundLabで自分の条件で試す

バックテストなら1%刻みの比率や積立額・開始時期を変えて確かめられます。配分比率の一括比較では、最初にまとめて投資した場合の比率を10%刻みで11通り並べて比べられます。株式・債券・ゴールドなどをまとめて配分を考えるときは資産配分シミュレーション、将来の資産の幅はモンテカルロシミュレーションで確認できます。

オルカン×債券を自分の比率で試す

比率・積立額・開始時期を自由に設定して、過去データで検証できます。
会員登録不要・無料で使えます。

よくある質問

Q. オルカンに債券を混ぜると、過去の積立実績はどう変わりましたか?

2020年4月〜2026年4月に毎月3万円(総投資額216万円)を積み立てたバックテストでは、債券を混ぜた比率(80:20〜30:70)で見ると、債券が多いほど値動きの大きさと最大下落率は小さくなり、リターンは下がりました。50:50の場合、国内債券では年率11.84%・最大下落率7.89%、先進国債券では年率15.46%・最大下落率8.64%で、オルカン100%(年率23.70%・最大下落率11.50%)より値動きはおだやかでした。過去の特定の期間の結果であり、将来の結果を示すものではありません。

Q. 国内債券だけでも下がることはあるのですか?

あります。この期間の国内債券(0:100)は年率-2.94%で、積み立てた216万円が約192.3万円になりました。最大下落率は16.39%と、株式だけ(11.50%)より大きくなっています。金利が上がると、すでに発行されている利息の低い債券の価格は下がるため、日本の金利が上がる局面が続いたことが影響したと考えられます。

Q. 国内債券と先進国債券では何が違いましたか?

先進国債券だけ(0:100)は年率6.09%で、最大下落率は7.80%でした。円で見た先進国債券は為替の影響を受け、この期間がプラスだったのは円安が進んだ影響が大きいと考えられます。一方、オルカンとの月次リターンの相関係数は国内債券が0.24、先進国債券が0.68で、株式と別の動きをしやすかったのは国内債券の方でした(2020年5月〜2026年4月)。

Q. 債券を組み入れる際の注意点はありますか?

3点あります。①2022年はオルカン(-5.58%)・国内債券(-5.34%)・先進国債券(-4.93%)がそろって下がり、債券が下落を和らげなかった年もあったこと。②国内債券は金利、先進国債券は為替の影響を大きく受け、同じ「債券」でも値動きの理由が違うこと。③今回の約6年間は金利の上昇と円安が進んだ局面を含み、期間が変われば結果も変わることです。

※ 本記事のバックテスト結果は過去の基準価額データに基づく試算であり、将来の運用成果を示すものではありません。本記事は特定の金融商品や配分比率の購入・採用を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。信託報酬等のスペックは各社の最新の目論見書でご確認ください。

🔀
比率比較
📊
バックテスト
🎲
モンテカルロ
🔗
相関
⚖️
最適化
🥧
アセット配分